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コロナ不況で流行する「応援経済」の落とし穴…成功のポイント&失敗する企業の特徴とは?

松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター

 この「理念」と「ビジョン」が明確になっていないと、消費者はコロナのせいで潰れそうなお店がたくさんある中で、なぜそのお店に潰れてほしくないのか、なぜ応援したいのか、ということがわからなくなります。応援経済を入り口にするのはいいのですが、その中身にあたる理念やビジョンがしっかりしていなかったら、関係性を持続させることは難しいでしょう。

 そして、理念やビジョンがないまま「助けてください」と第2弾・第3弾を展開してしまうと、消費者に少しずつ不信感を与えてしまう可能性もあります。

 この観点から考えると、1回目と同じ手段を取るのは、いささか軽率だと思います。その理由は、過去に倒産危機に陥ったブランドを振り返ればわかります。看板にあぐらをかいて企業努力を怠った末に潰れてしまったブランドは、いくつもあります。消費者は、よりいいものになろうと努力する企業を見て応援したいと思うので、そこを履き違えてはいけないのです。

「応援経済」に失敗する企業の特徴とは

 まずは、ビジョンを提示しましょう。応援経済で経営難を逃れたら何をしたいのかを、しっかりと公表します。反対に、そういったコンセプトやビジョンがないと、消費者も応援のしようがありません。もし、この部分が確立されていないのなら早急につくるべきですし、支援を募るのはその次です。

 また、応援経済は長続きしない、その場限りのものだと割り切って付き合うべきでしょう。ただ「困っているから」というのは、最初は通用しても、そのうち通用しなくなるものです。この大変さをバネにして何か行動を起こさないと、消費者の応援したい気持ちは徐々になくなってしまうので、その点も忘れずに。

 消費者の応援を受けた企業が新サービスを展開するとなったら、消費者は「応援してよかった」という気持ちになって、「また応援できることがあれば、進んで応援したい」「この企業の成長を見続けたい」という気持ちになります。これが、本来のファン心理というものです。

 ただ支援金をもらって生き延びているだけでは、「何のための応援だったんだ」「応援した甲斐がない」と思われても仕方がありません。消費者としては、「これを原資に新しいことを始めてください」という気持ちを込めて、企業の未来への投資として提供しているのです。

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