NEW
松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(7)

ANA、パイロット出演のYouTube動画に削除警告…合併先社員へパワハラ横行

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,

 多くの方は認識されているものと思いますが、当社の信頼失墜につながるような発言をSNS上で行うことは、プロフェッショナルとして日々の安全運航を支えている多くのANA運航乗務員の品位を貶めるものでもあり、決して看過できるものではありません。

 今回の動画がどのような経緯で配信されたのか現在調査を進めています。万が一、本件に関与した者が社内にいるのであれば、当該動画を速やかに削除するよう警告します。

 FOC運航乗務員・スタッフにおかれては、あらためてANAグループソーシャルメディア利用規程を確認いただき、一人ひとりが『ANAグループ』を背負っていることを今一度強く認識するとともに、適切にSNSを利用するよう努めてください。 以上」

 まるで犯罪者をあぶりだすような威圧的な文言が並ぶが、この連載第1回でご紹介したような、CAに対する「SNSの不適切投稿」を禁ずる文言と、「外部からの指摘で発覚した」という論法まで瓜二つである。今回出演したANAの現役機長が番組内で会社側への不満めいた発言をしていたのは確かだが、どれもこれもANAが従業員に十分な説明もないまま、国や世間への体面だけを繕おうとする姿勢が原因のものばかりだ。

 この犯人捜しにしても、「ANAグループではSNSで自由に発言するな」という言論統制の本音が透けて見える。ANAがすべきはSNSをいちいち監視することではなく、現場の社員の声を汲み上げた上で職場改善の努力をしていくことだろう。

 この後、出演者にまで危害が及ぶことを恐れた配信主の元機長は番組を削除し、チャンネル閉鎖まで検討したというのが事のいきさつだが、まったくいい迷惑だっただろうと思う。なお、ANAから配信主と出演者に対して不当な圧力がかかる懸念があるため、今回は当事者への取材はあえて行わず、筆者が動画内容を確認し、内情を知る関係者に取材するにとどめておいたことは強調しておく。

ANAの生え抜き「純血主義」はバブル世代から、ANK出身者への差別横行

 さらに、平成3、4年(1991、92年)のバブル入社世代以降に植え付けられた「ANA生え抜き純血主義」が、コクピットの風通しを著しく悪くしている。差別意識の矛先は、2012年に吸収合併されたエアーニッポン(ANK)出身者だ。

 ANKは1974年に離島等の航空輸送を確保するために、日本近距離航空として運航を開始した。その後、全国に路線を拡大したが、共同運航という形でANAグループに取り込まれ、主に地方路線を担当することになった。この当時から、ANAのパイロットとの間で賃金格差などの問題が指摘されていたが、そこで育まれた差別意識が吸収合併後の現在も根深く続いているというわけだ。以下はANAのベテラン社員の解説。

RANKING

17:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合