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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(7)

ANA、パイロット出演のYouTube動画に削除警告…合併先社員へパワハラ横行

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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「バブル世代入社のパイロットは、大量採用の時代であったため、あえて自分はJALではなくANAを選んだというプライドがもともと高い人間が多い。その上、ANK出身者に対して元子会社の社員で賃金も低かった過去をとらまえて、格下に見る傾向があったことは事実です。かつてJALと日本エアシステム(JAS)の間で起きた差別構造がそのまま残っている格好です。

 パイロットの場合、密室で『指導』の口実が通用するコクピットの中でのパワハラが横行しており、『馬鹿ANK』などと恫喝された話も聞いています。パワハラをきっかけとした退職や休職もANK出身者の割合が高く、ANA純血主義の洗礼を防衛省出身のパイロットも受けています」

 ANA社員のANK出身者への差別は、パイロットだけでなくCAや地上スタッフの昇進でも歴然として存在する。現在のところ、ANAホールディングス(HD)取締役、執行役員にANK出身者はゼロである現状を考えれば、ANK出身者の待遇改善など望むべくもないだろう。

 パイロットのSNS監視とANAのパイロット純血主義に共通するのは、「経営側は絶対で、それを少しでも邪魔することは悪」という価値観だ。逆の言い方をすれば、いくら常識と乖離してもANAイズムに染まれば優遇されるということでもある。ただ、昭和の時代なら“右にならえのカイシャ絶対主義”が通用したかもしれないが、21世紀も20年以上経過した。多様性を重んじる現代で、この考えは恐ろしく遅れているといわざるを得ない。

 度合いにもよるが、不満や不平を経営改善に生かせず、抑圧ばかりする企業はどこかの時点で危機的な状況に陥ることは、これまでの歴史が語っている通りだ。ANAにとってはまさに今がその時だろう。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

ANA、パイロット出演のYouTube動画に削除警告…合併先社員へパワハラ横行の画像1●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは@kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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