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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

「週休3日制」の甘い罠…給料減で老後の年金も減額?厳しい“自己負担社会”が加速する

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
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 現状はあくまで「選択的」がついており、働き手が希望すれば週休3日を選べるというニュアンスだが、先のテレワーク同様、「今までとは何も変わりませんのでご安心を」というわけにはいかないのではないか。

 一番気になるのが、給与が変化するかしないか、つまり週休2日制と比べて下がりはしないか、という点だ。引っかかるのは「選択的」の文字。つまり、3日休みますと選んだ人と、2日しか休みませんという人が同じ月給では、後者は納得しないだろう。当然、そこには差がつくことになろう。企業の取り決めにもよるだろうが、休みが多くなれば給与も下がるのが道理だ。

 毎月の給与だけではない。週休3日制のメリットとして育児や介護との両立が挙げられているようだが、現在でも社会保障制度での休暇が認められている。これら育児休業や介護休暇を取ると、要件を満たせば所定の給付金が出る。

 たとえば、介護休業給付の1支給単位期間ごとの給付額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」により算出され、介護休業開始前6カ月間の平均月給が30万円程度の場合、支給額は月額20万円程度が目安だという。このように、給付金は月額で受け取っている賃金が計算の基準になっている。つまり、給与が減れば、これらも連動して減る可能性があるということだ。

 休日の増加は人生のクオリティを上げる一要素だ。お金では幸福は買えないかもしれないが、やっぱりあった方が助かる。現状の制度をわかった上で、総合的に判断すべきだろう。

さらに心配な老後の年金への影響

 もし週休3日を選択した結果、以前より減収になったとしても、現役時代は共働きなどでカバーできるかもしれない。それより気になるのは、将来の年金だ。厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率をかけて決まる。標準報酬月額は、基本給のほか、残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与を1~32の等級に当てはめて決まる。すでに残業や通勤手当が減っているのに加え、もし基本給が下がるとすると、確実に等級にも変化が及ぶだろう。

 現在の月給が34万円の人が、仮に約1割減となって30万円まで下がれば、等級は2つ下がることになる。納める年金保険料も減るが、それに連動して、将来受け取れる年金も減る可能性がある。もし、その後も給与が思うように増えなければ、現状の給与が続くと想定したときより受給できる年金額も少なくなってしまうのだ。

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