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公文書を意図的に隠蔽?「議事録に記載ある」→「議事録はない」説明急転…ツタヤ図書館の闇

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

 下の書面は、市民団体が市当局に独自分類を導入しないよう要請した際の、市の回答である。和歌山市側は当時の坂下館長名で「皆様が考えられているような不安はなく」と回答し、説明の場を設けることすら頑なに拒否している。その根拠が「独自分類の導入は2階5万冊のみ」とCCCが選定会議のプレゼンで約束したものだった。同様の要請は、その後も市民から繰り返し行われていた。

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 ところが、昨年6月に全面開館すると、独自分類の対象冊数は7万冊と大幅に増えており、フロアも2階だけでなく4階の児童書までもがCCCの独自分類にされていたのだった。

 いったい誰がそんなことが決めたのか、これはもう騙し討ちではないのかと、担当部署に問い合わせると、図書館設置準備班の責任者がこう回答した。
「CCCの独自分類ではなく、うちの司書とCCCとで話し合って、新たに和歌山独自の分類をつくったんです」

 しかし、その分類項目と体系を詳しく見ていくと、他のツタヤ図書館で取り入れているものとそっくり。詳細な体系も、なぜかCCCの許可がないと公表できないと言う。そして、どのように決まったかについては、こう釈明した。

「その話し合いは、すべてCCCとの定例会議事録に記録されています。それを見てください。その議事録は(市民団体代表者の)〇〇さんから請求があって、開示していますよ」

 そこで筆者は、CCCとの定例会議事録を開示請求した市民団体の代表者から、その資料を借り受けることにした。

 計48枚(添付資料も含めると91枚)の議事録は、個人情報や企業機密等にあたる部分が一部黒塗りされているものの、大部分はスラスラ読み進められる。担当者の話では、これを一通り読めば、新しい和歌山市民図書館のサービスをどのようにして、蔵書の分類や配架などもどのようにするかを、和歌山市が運営者のCCCと話し合って進めてしていったかがすべてわかるということだった。

 ところが、いくらページをめくっていっても、この議事録には、筆者が知りたかった肝心なことが何も書かれていない。それどころか、ICタグについては、最初から導入する前提でCCCと協議されていた様子がうかがえる。それなのに、いつ、その方針が覆ったのかについては、議事録のどこにも記載されていない。

 そこで、議事録に記載されている会議開催日を詳しく見ていくと、一定期間の議事録がゴッソリと抜け落ちていることがわかった。その空白期間は、18年7月から19年3月までの8カ月間にもわたっている。ほかの期間は毎月1~2回開催されている定例会のため、これだけ長期間にわたって会議が一度も開催されなかったとは到底考えられない。

 その点を和歌山市に問い合わせたところ「1週間待ってほしい」と言われ、待ってみたものの結果は「見つかりませんでした」とそっけない回答。それでも諦めきれず、職員個人のパソコン等にも残っていないか調べてほしいと再度依頼したところ、その回答は以下のようなものだった。

「だから、共有フォルダを1週間かけてさんざん探してみたんですよ。だけど、その間の文書はないんですよ」

 このときに思わず筆者が発したのが、冒頭の言葉である。だが、いくら聞いてもロボットのように同じセリフが繰り返されるだけ。なぜ見つからないのか、会議は開催されたのか、見つからなければ職員個人のメモを基に復元するか、CCCが作成したものを提出すべきではないのかと追及しても、なんの釈明はなく「ないものはない」の一点張りだった。

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17:30更新
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