NEW

見えづらくなった「子どもの貧困」の実態と負の連鎖…キッチンカーの移動子ども食堂で支援

文=若松喜徳/フリーライター
【この記事のキーワード】, , , ,

 子ども食堂で支援の輪に触れ、いろいろな大人と接することで世界観が広がったり、前向きさが生まれて明るい表情になれば、それを見た周りの大人も笑顔になることだろう。

松戸市の子ども食堂は20軒ほどに増加

 朝から風が強かったこの日は、イベント開始の11時頃から雨が降り始めるあいにくの天気となったが、ボランティアの方々の尽力もあり、大きなトラブルもなく進行。来場者はソーシャルディスタンスを保って並び、受付と検温を済ませた後、希望のお弁当を受け取り、家路につく。

見えづらくなった「子どもの貧困」の実態と負の連鎖…キッチンカーの移動子ども食堂で支援の画像3
大人から子どもまで楽しめる5つのメニューを100食ずつ無料提供

 会場の目の前の道路には見事な桜並木があり、コロナ禍でなければ、満開の桜を見ながらその場でお弁当を食べ、来場者同士で交流を深めることもできただろう。でも、こうしたイベントは今回限りではない。いずれ、またどこかで……。

「松戸市の子ども食堂は、3年ほど前は数軒だったのに、今ではノウハウができあがったことで主催する人が増え、20軒くらいになっています」(同)

 一過性の支援ではなく、恒久的な支援の輪が広がっているのだ。あとは、いかに“情報”を多くの人に届けるかが課題。松戸市に限らず、困窮者支援制度は数多くあるが、その存在自体を知らない人も多い。それもまた、負の連鎖につながってしまう良くない状況である。

「情報弱者が損をしてしまうのが今の世の中。なので、こうした取材を通して、支援についての情報を少しでも多くの人に届けられたらいいなと思います」(同)

 以前、取材したときに伊藤さんが口にしたのが、「いろんな人がそれぞれの職業や立場で“できること”をやれば、世の中がうまく回るんじゃないかな、って思うんです」という言葉。

 今回の件で言えば、企画した人や賛同者、キッチンカーを出店した人、ボランティアスタッフなどが力を合わせてイベントを実現し、「支援」「町の活性化」「地域交流」につなげたのだ。

 新型コロナの感染拡大状況を見ながら行動の自粛と緩和を繰り返す必要はあるが、この先も全国各地で助けを必要としている人のもとに適切な支援や情報がしっかりと届くように願ってやまない。

(文=若松喜徳/フリーライター)

情報提供はこちら
RANKING
  • ヘルス・ライフ
  • ビジネス
  • 総合