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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(9)

ANA、CAの私的なSNS投稿を監視…管理職3人が密室で5時間説教、同期と食事だけで

松岡久蔵/ジャーナリスト
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 その日はこれで解放されたが、すっかりあたりは暗くなっていた。スマホをチェックすると、今回会食した同期からAさんにLINEでメッセージが届いていた。「管理職から明日呼び出されたんだけど、何なの?」「え! 私も明後日呼び出されたんだけど」――。なんと、1日ずらして5人全員が会社に呼び出されていたのだ。

 Aさんが「お説教」された同期に詳細を聞いたところ、一人ひとり呼び出されて同じような質問を5、6時間されたところまでは同じだが、人によっては、今回とは関係のないLINEの投稿やフェイスブック、インスタグラムといった他のSNSまでチェックされ、管理職から「不適切だ」と判断された書き込みは写メを取られ、音読させられたり、それを投稿した際の気分や反省を述べさせられたりしたという。

 Aさんは当初はまったく信じられなかったが、その「不適切な部分」をエクセルにまとめさせられ、反省コメントを考えさせられた同期もいたというのだから、なおさらだ。「他にも同じようなSNS投稿をしている人を知っていたら教えなさい」と密告も迫られた。

 仕事への愚痴の書き込みが見つかった同期は、「なぜ愚痴をつぶやいたのか」「愚痴るならCAに向いてない」「CAは向いてないから辞めなさい」と退職まで迫られたという。Aさん以外は「お説教」の最後に「今日のことは絶対に他言しないでね」と約束させられた。

処分言い渡し当日に黒スーツで出社強制という見せしめ

 その後、Aさんたちは始末書を作成させられた。いつ正式に処分が下るのか教えてもらえず、家で待機するように言われ、呼び出されるときはいつも前日に電話かメールで知らされるのがストレスだ。本来フライトがあった日もフライトをさせてもらえず、書いては管理職が添削、書いては添削とまるで「思想統制」としかいいようがない時間を強要され、結局5人とも同じような文章を提出した。

 この間の出社は、周囲のCAがピンクやブルーの制服を着て業務に励むなか、ビジネスカジュアルを義務付けられ、同僚の前で晒されるという扱いを受けた。そして、「お説教」で呼び出されてから8日目になり、「明日は処分当日だから出社して」と管理職。「⾒せしめ」として、同僚たちがいる前で報告書を清書させられるという極めつけの「お仕置き」をされ、正式な処分が下されて通常の業務に戻ることができた。処分当日に、⿊いスーツで出社することを強制されたCAもいるという。なお、「お仕置き」中の出社で勤務扱いにはならない日もあった。

管理職CAはSNSを理解できず「会社への反逆行為」と認識

 いかがだろうか。「ナショナルフラッグキャリア」と呼ばれ、日本を代表する企業の一つであるANAのなかで行われたこととは、とてもではないが信じられないだろう。しかし、前回の連載記事を配信してから、筆者のツイッターに、情報提供していることはお互いに知らないであろう複数の現役CAから、これまでに書いたような「お仕置き」についての生々しいDMが届いたのだから、事実と考えざるを得ない。

 細部に違いはあるものの、

(1)管理職から突然、電話があり、要件を説明されずに呼び出される

(2)密室で2人以上の管理職から尋問のようにSNS投稿について数時間にわたり詰められる

(3)その際、処分案件と無関係なSNSまで検閲されチェックされる

(4)他のCAについても密告するよう迫られる

(5)今回の「お説教」はパワハラではないと最後に確認させ、場合によっては始末書にその旨を記述させる

(6)処分がいつ下るのかを明示せず、突然呼び出すことでストレスをかける

などの点は共通している。