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日立G、社員の過半が外国人に…「御三家」売却、米新興IT企業を1兆円で買収の冷徹経営

文=編集部
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米グローバルロジックを約1兆円で買収

 3月31日、米IT企業グローバルロジック(カリフォルニア州)を買収すると発表した。海外ファンドなどの既存の株主から全株式を約9180億円で取得する。有利子負債を含め買収総額は1兆368億円になる。規制当局の承認を得て、7月末までの買収の完了を予定している。日立は中核に位置付けるIoT基盤「ルマーダ」の世界展開を加速させる。

「グローバル社は、クラウドとチップの中のソフトウエアをつなぐ技術に長けている。ルマーダ事業がさらに進化し、グローバルな顧客に新たな価値を提供できる」と東原社長は述べた。グローバル社は00年に創業し、急成長している新興企業だ。世界14カ国に2万人の従業員を抱え、通信や金融、自動車、ヘルスケアなど欧米の大手企業を中心に400社以上の顧客を持ち、デジタル化に必要なシステムやソフトウエアを開発している。スウェーデンの商業車大手、ボルボも顧客だ。

 グローバルロジックの21年3月期は売上高が約1200億円、調整後EBITDA(利払い前・税引き前利益・償却前利益)率は20%超と高い。今後も企業のデジタル投資が拡大するので高い成長が見込めるという。買収資金は手元資金約2000億円と銀行借入れ・社債で約8000億円を調達する。日立金属の売却で得る資金をグローバル社の買収に充当する。

 日立は産業機器や鉄道、家電など日本を代表する製造業大手だが、近年、モノとインターネットをつなぐデジタル企業への転換を進めている。今回の買収も、その一環だ。「国内でデジタル人材が不足するなか、買収によりグローバル展開を支える開発力を手に入れる」というのが東原社長の主張だ。「1兆円は確かに高い。ただ、海外市場への入場チケットと捉えれば妥当な額といえる」(外資系証券会社のエレクトロニクス担当のアナリスト)と前向きな評価もあるが、それでも1兆円買収に伴う財務体質の悪化を懸念する声は多い。

 グローバル社の売却額と純資産の差額の「のれん」代が7100億円にのぼる。買収後の成長が見込み通りにいかなければ、将来的に巨額の減損処理を迫られる。ルマーダ事業とのシナジーをどこまで出せるかが、日立変革の行方を左右する。

純利益は2期連続の過去最高を更新

 日立の21年3月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が前期比5.7倍の5016億円と過去最高だった。子会社だった日立化成の売却益などが寄与したほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が追い風となった。

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