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日立G、社員の過半が外国人に…「御三家」売却、米新興IT企業を1兆円で買収の冷徹経営

文=編集部
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 売上高に当たる売上収益は微減の8兆7291億円、営業利益は25%減の4951億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた。ただ、利益率の高いIT(情報技術)部門が伸び、従来予想を売上高で4291億円、営業利益は751億円上回った。22年3月期は純利益が前期比10%増の5500億円と2期連続で過去最高を更新する見通し。日立金属の売却益がここでも寄与する。

 売上収益は前期比9%増の9兆5000億円、営業利益は49%増の7400億円と増収増益を見込む。日立とホンダ傘下の自動車部品メーカー4社が経営統合し、日立アステモが21年1月に発足したことや重電大手ABBから買い取った送電事業が収益に貢献する。日立は16年からルマーダ関連事業を経営の軸に据えてきた。22年3月期のルマーダ事業の売上高目標である1兆6000億円のうち海外は3割にとどまる。

 東原社長は4月にCEO就任から6年目に突入した。22年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成が集大成になるとみられている。グローバル社の買収は絶対に成功させなければならない。IT事業を柱に据えた日立の「選択と集中」は総仕上げの段階に入った。

日立建機も売却へ

 日立金属が強みを持つ自動車や航空機向けの分野はITと相乗効果が薄いと判断。売却先を探していた。残る上場子会社は日立建機(日立の出資比率は50.8%)だけとなった。日立建機も売却される見込み。日立は「脱総合電機」に向けて、ルマーダ事業との親和性を基準に上場子会社を次々と売却してきた。

 20年秋に日本経済新聞が「日立、日立建機を売却へ 産業革新投資機構が出資検討」と伝えた。現在、「産業革新投資機構(JIC)を中心に複数のファンドが買収を検討中」(M&A関係者)と伝えられている。KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)、ベインキャピタル、ブラックストーンなど投資ファンドの名前が挙がっていたが、「交渉は停滞気味」(別のM&A関係者)とされる。

 総合商社が鉱山など資源権益の売却を急いでいるのは、脱炭素の大きな流れに沿ったものだ。鉱山機械をつくっている日立建機の魅力は従来よりかなり減殺された。「買い手としても日立建機の将来性を再度、精査する必要がある」(建設機械業界の首脳)というわけだ。日立の「選択と集中」の最後のピースと目されている日立建機の売却に、思わぬ逆風が吹き始めた。

 日立金属はコロナ禍前には500億円を上回る利益を出していた実績を持つ企業だ。実績のある会社を売り、シリコンバレーの新興企業であるグローバル社を買ったわけだから、納得できる経営戦略の説明がなければ投資家は安心できない。大型M&Aの収支計算がどうなるかに市場は注目している。

(文=編集部)

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