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就活面接で「愛読書」「座右の銘」「尊敬する人」の質問は“違法”なワケ…問題に発展も

文=編集部
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 ここで気になるのは冒頭の「特別な職業上の必要性が存在すること、その他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りでないこと」という“但し書き”の部分だろう。例えば新聞社、出版社、テレビ局の採用面接では、業務上の必要性を述べた上で、「どんな本を読むのか」「どの新聞、雑誌を読んでいるのか」を問うことが多い。入社3年目の全国紙記者は次のように話す。

「私の時も聞かれましたよ。実際、仕事をしてみて思うのは『どの本や新聞を読み、どの番組を見ているのか』より『どんなふうに情報収集をし、社会のトレンドをつかんでいるのか』が重要なんじゃないかと思います。似ているようですけど全然、違いますよね」

労働局「特別な事情に該当する例はほぼない」

 ではアウトとセーフの線引きはどこにあるのか。厚生労働省東京労働局職業安定部職業対策課の担当者は次のように説明する。

「法律の条文上は(指針に反する質問が許される)『特別な事情』に関して記載されていますが、それに該当する理由を説明できる例はほぼないと思います。基本的な考えとして、その質問がなんのために必要なのか、採用側の採用選考において、求職者の適正と能力をはかる上で本当に必要な質問なのかが重要です。

 指針に抵触する質問で、『愛読書』『購読新聞』のほか、よくあるのは『尊敬する人物』です。『座右の銘』『好きな偉人』なども不適切質問にあたります。本人がどのような人生観や趣向をもっていようが、採用選考には関係ないからです。

 また、よく新聞社さんで購読新聞を聞く事例がありますが、それを聞く必要があるのか理由付けがないケースがほとんどです。そんな質問をされたら、求職者は選考を受ける新聞社の新聞を購読していないと不採用になるのではないかと不安に思うのは当然です。仮にそれが理由で不採用になった際は違法性を問われる場合があります」

 リクルートの元キャリアアドバイザーは次のように話す。

「採用面接の質問というのは、求職者のスキルやポテンシャル、コミュニケーション能力を測るためのものです。読書などの趣味が仕事に生されるケースもありますが、基本的に採用選考とは分けて考えるべきでしょう。20年くらい前は、面接官が自分の主観にもとづいて評価する“人柄採用”が主流でした。求職者の人物像を把握しなくてはいけないので、『どんな本を読んでいるのか』『人生観』『家族』などに関する質問が多く用いられました。昭和の高度経済成長期にあった『企業は大きな家族』というイメージも大きかったのだと思います。

 今はどこの企業でも厚労省や自治体のガイドブックに沿って、不適切質問をしないようマニュアルを作っていますが、どうしても自分流の昔のやり方から抜け出せない中高年以上の管理職はいるものです。パワハラ・セクハラ面接は少しずつ減っていますが、こういう細やかな部分はまだまだ徹底されていないというが実情ではないでしょうか。

 どれほど人事担当社員が気を付けていても役員がポロッと不適切質問をして、大学生に労働局や労基署に駆け込まれる事例はたくさんあります。採用選考とは直接関係がありませんが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗前会長が“女性発言”で大炎上していましたが、ああしたことはどこの企業にとっても他人事ありません」

(文=編集部)

 

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