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自由民主党・西垣誠議員、民事裁判に政治的圧力をかける意図か?与党の立場誇示する証拠を提出

文=山岸純/山岸純法律事務所・弁護士
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西垣誠議員のツイッターより

自由民主党の西垣誠議員からの突然の懲戒請求

 本年2月17日、自由民主党の西垣誠議員(江東区議会議員)から、当職が所属する東京弁護士会に対し、「山岸純弁護士の懲戒処分を請求する」との懲戒請求がなされました。

 内容は、「私(西垣誠)が、ある裁判の当事者を応援するための文書を裁判所に提出したら、相手方の代理人である山岸純弁護士が自由民主党に対し、『西垣誠が裁判所に提出した文書は、自由民主党の議員が自由民主党として意見を述べたと考えざるを得ません。なぜ自由民主党の肩書を名乗って意見を述べるようなことをしたのか、本人をご指導されるよう強く慫慂します』と書面で批判したことは、許し難い」というものでした。

 この方、選挙の時に街角で見かけるくらいの面識しかないのに、なぜ、突然、弁護士懲戒請求をしてきたのか、ものすごい違和感を覚えました。

裁判所に提出された「自由民主党」の名刺

 ことの発端は、ある地域の自治会内でもめ事があり、裁判沙汰になっているのですが(当職はその裁判で被告=訴えられた側の訴訟代理人を務めております)、原告から提出された証拠の中に、「原告の意見は正しい」といった内容の文書がありました。

 裁判は、過去の事実関係を証拠によって明らかにするための司法作用なので、法学の教授による「学術意見書」ではない限り、本来、「意見書」などほとんど意味がありません。

 当職が問題にしたのは、単に「原告の意見は正しい」といった文書だけではなく、この議員、わざわざ「自由民主党 にしがき誠」の名刺も裁判所に提出してきた点です。ものすごい違和感を覚えました。

 前述のように、裁判は、過去の事実関係を明らかにするための手続きですが、裁判官に「ある事実」を認めてもらうためには「契約書」や「録音」など、さまざまな「その時の状況や、意思表示の内容を示す証拠」を提出します。しかし、「自由民主党 にしがき誠」の名刺は、いったい、裁判官に何を認めてもらいたかったのでしょう。

 果たして「私は、政権与党、自由民主党の西垣誠である」ということをアピールしたかったのでしょうか。

 おそらくそうでしょうね。

司法に政治を持ち込むな!

 当職は、「私は、自由民主党の西垣誠である」とアピールしてまで、ある裁判の一方当事者を応援するような方法は、司法の非政治性・公平性に対する挑戦だと考えます。

 憲法第76条は、明文をもって「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」とし、政治権力や、あらゆる圧力、そして、たとえその上長や上司にあたる者からの干渉すら跳ねのけるよう保障しております。

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