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高安雄一「指標でみる韓国経済の今」

韓国経済、なぜ早くもコロナ以前のGDP水準に回復? G7諸国に先駆け

高安雄一/大東文化大学教授
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 需要項目の半分以上を占める民間消費がいまだに大きく落ち込んでいるなか、GDP全体がコロナ禍以前に戻っているということは、他の需要項目がカバーしたということを意味している。GDPの回復に寄与した需要項目は何であろうか。

 まずは輸出である。輸出は2021年1~3月には103.1にまで回復している。主力の輸出製品である半導体がコロナ禍の下でも世界的に需要が伸びていることもあり、輸出が下支えられてきた。それに最近は一時期不調であった自動車の輸出も回復する動きが出てきており、これによって輸出はコロナ禍以前を上回る水準に回復した。

 需要項目のうちGDPの回復に一番寄与しているのは設備投資である。設備投資は、2020年4~6月期に99.8とわずかながらに減少した。しかしながら、7~9月期にはすでに107.9とコロナ禍前を大きく上回る水準に回復し、2021年1~3月には112.6にまで水準が上昇している。これには半導体産業の投資増が大きく寄与している。先述のように、コロナ禍の下でも世界的に半導体需要が伸びているとともに、今後の需要見通しも明るいため、半導体産業は半導体製造装置の購入などの形により設備投資をしている。これが設備投資を大きく引っ張り上げ、ひいてはGDPを下支えている。

 コロナ禍で一時期はGDPの水準が落ち込んだ韓国は、いまだに民間消費は不調だが、好調な設備投資や堅調な輸出のおかげで、G7諸国に先立ってGDPが回復することになった。

(文=高安雄一/大東文化大学教授)

●高安雄一

大東文化大学経済学部教授。1966年広島県生まれ。1990年一橋大学商学部卒、2010年九州大学経済学府博士後期課程単位修得満期退学。博士(経済学)。1990年経済企画庁(現内閣府)に入庁。調査局、人事院長期在外研究員(ケルン大学)、在大韓民国日本国大使館一等書記官、国民生活局総務課調査室長、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て、2013年より現職。著書に『やってみよう景気判断』『隣の国の真実 韓国・北朝鮮篇』など。

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