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たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」

アパレル業界、大失業時代が到来か…店長・販売員の求人激減、「店舗販売モデル」に限界

文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師
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 さらに回復の兆しが見えないのが、生産に欠かせないパタンナーである。求人数は昨年3月以降、70%減ほどの水準で停滞。国内製造事業所減や3Dキャドの普及が原因とみられる。求人数が前年を上回っているのは、人事・総務・経理・財務が2.2倍、EC・通販関連は44.7%増、プレス・販促関連が42.7%増、生産管理が21%増となっている。デジタル化、EC化を進める人材の求人も各職種で増加。販売促進でもEC・デジタルマーケティングに特化した人材が求められている。

 従来とは違う人事制度を構築できる人材が求められており、業界構造の変革が求人内容にもはっきりと見て取れる。

3.まとめ

 東京商工リサーチの調査では、今年3月末までの1年で雇調金を活用した上場企業は700社を超え、利用額も3600億円を突破した。こうした企業では在籍型出向が拡大しており、雇用維持につながっている。

 休業を要請されたアパレル店舗は、ビジネスの特徴としてその季節の需要に適した商品を販売している。最大実需要期を2年連続して休業を強いられているアパレル企業の悲鳴は、政府に届いているのであろうか。もし雇調金の給付が財務省の意向どおりに打ち切られれば、想像以上のショックがアパレル業界全体に走る。それだけに、政府は場当たり的な特例延長を繰り返すのではなく、雇用維持に向けた中期的な支援方針を明示すべきだ。

(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)

●たかぎこういち

タカギ&アソシエイツ 代表/スタイルアドバイザー/コンサルタント(ファッション視点からの市場創造)/東京モード学園ファッションビジネス学科講師

1952年、大阪生まれ。奈良県立大学中退。大阪で服飾雑貨卸業を起業。22歳で単身渡欧後法人化代表取締役就任、1997年香港に渡り1998年、現フォリフォリジャパングループとの合併会社取締役に就任。オロビアンコ、マンハッタンポーテージ、リモワ、アニヤ・ハインドマーチなど海外ファッションブランドをプロデュースし、日本市場の成功に導く。また、第1回東京ガールズコレクションに参画。米国の有名ファッション展示会「d&a」の日本窓口なども務めた。時代に沿ったブランディング、MD手法には定評がある。2013年にファッションビジネスのコンサルティング会社「タカギ&アソシエイツ」を設立。著書に『オロビアンコの奇跡』『超入門 日・英・中 接客会話攻略ハンドブック(共著)』(共に繊研新聞社)、『一流に見える服装術』(日本実業出版社)、『アパレルは死んだのか』(総合法令出版)、『アパレル業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』(技術評論社)などがある。

アパレル業界、大失業時代が到来か…店長・販売員の求人激減、「店舗販売モデル」に限界の画像3
『アパレルは死んだのか』(たかぎこういち/総合法令出版)

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