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「永遠のライバル」ダイハツとスズキ、電撃的な提携…“EV軽自動車”共同開発の舞台裏

文=編集部
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 スズキトヨタの子会社ダイハツは永遠のライバルである。20年度(20年4月~21年3月)の軽自動車の年間販売台数のトップはダイハツで54万9409台。第2位はスズキで53万9396台。その差は1万13万台。激しい販売競争を繰り広げたことを物語る数字だ。その両社が、トヨタを媒介して、小型の電気自動車(EV)の共同開発を進める。「軽もすべて電動化」にする国の目標を達成するしか、軽自動車メーカーとして生き残る道はないからだ。

 軽はユーザーの低価格志向が強い。EVの開発は急務だが、車両が高価になれば思ったように売れず、設備投資分を回収できなくなる恐れだってある。共同開発にはリスクを分散する狙いがあることはいうまでもない。

 トヨタは脱炭素の一環としてHVや水素で走る燃料電池車(FCV)と並行してEVの品揃えを強化する。昨年12月、2人乗りの小型EV「シーポッド」の限定販売を開始した。現時点では法人ユーザーや自治体などしか購入できないが、価格(消費税込み)は165万円から171万円と相対的に安い設定になっている。「シーポッド」の一般向け本格販売は22年に開始の予定だ。

日産と三菱自は22年に軽EVを販売

 日産自動車と三菱自動車は22年に軽自動車サイズのEVを発売する。長さ3.4メートル以下、幅1.48メートル以下などの規格を満たせば軽自動車に区分され、軽の税制が適用されるEVだ。日産と三菱自はプラットフォーム(車台)や電池などを共通化し、コストを圧縮した。電池はEV製造コストの約3割を占める。軽は日常の短距離移動での利用が見込まれるため、充電1回当たりの航続距離を200キロメートル程度に抑え、電池の搭載量を減らした。こうすれば電池の価格を下げることができるわけだ。

 約20万円とみられる国からの補助金分を勘案すると、下位グレードの軽EVは200万円以下になる。自治体の支援と組み合わせれば100万円台半ばで購入できることになるとみている。ガソリン車に近い価格帯となる。

 ホンダは、40年までに世界の新車販売すべてをEVとFCVに切り替える。4月23日に都内で開いた記者会見で三部敏宏・新社長が明らかにした。新車販売すべてをEVとFCVとする計画を打ち出したのは、国内の自動車大手ではホンダが初めて。同社の20年の世界販売台数は445万台で、EVとFCVの販売比率は合計でも1%未満だった。

 ホンダは日本では24年に軽自動車のEVをお披露目する。電動化の目標実現には電池の調達などが大きな課題となるが、20年代後半には独自の次世代電池の開発を完了する。車載電池でモーターを回して走る軽自動車は走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、再生可能エネルギー由来の電気を使えば排出ゼロに貢献できると期待されている。ただ、充電時間が長いことや、充電設備が町中に少ないという難点がある。電池の価格が高く、ガソリン車よりもどうしても高価になりやすい。軽自動車では大きな電池を積めず、一度の充電で走れる距離が短くなる。軽のEV化の勝者はどこか。トヨタなのかホンダなのか。

(文=編集部)

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