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“不良債権の山”の懸念広まる…日本政策投資銀行、中小飲食店に単独融資、ノウハウ乏しく

文=編集部
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 これだけならコロナ禍、政府系金融機関が政府の要請に応えているという名分は成り立った。しかし、ワタミに120億円の資本支援策を決定したことについて、「DBJがワタミの実質的なメインバンクになることを意味する」(メガバンクの首脳)との指摘も出ている。飲食などに対する融資・審査のノウハウの乏しいDBJが融資する。「本来、日本政策金融公庫が扱うべき案件。DBJの渡辺社長が勢力拡大の好機と判断して融資を断行した」(政府系金融機関の元役員)。コロナ関連の新たな不良債権の山が築かれることを懸念する声も出ている。

 そして、「JTBは数百億円規模の出資を要請する」(金融筋)と伝えられている。DBJには議決権のない優先株を引き受けてもらうという。「JTBは主力銀行のみずほ銀行を筆頭に民間の大手銀行に水面下で支援を打診していたが、思うように進んでいなかった」(前出のメガバンクの首脳)という情報も広まっている。

 DBJは「補助金ではなく、あくまで融資。審査基準に合わなければ、融資を断る場合もある」と規律が緩む恐れはないとしている。しかし、融資の焦げ付きに備えて日本政策金融公庫に損失の8割を補填してもらう契約を有料で結んだ。つまり、DBJの貸し倒れが急増すれば、実質的に国民の負担になりかねないということだ。

DBJとはいかなる金融機関なのか

 DBJは大企業向けの資金供給やファンドへの投資に注力している。中堅・中小企業に直接出資するノウハウは乏しいとみられている。旧日本開発銀行(1951年設立)、旧北海道東北開発公庫(57年設立)が統合し、旧日本政策投資銀行が1999年発足した。2008年10月、特殊法人の日本政策投資銀行を解散し、DBJが設立された。資本金は1兆4億2400万円で全額政府出資である。社長は渡辺一氏。従業員数は1195人(20年3月末)。

 設立の目的は高度な金融上の手法を用い、長期の事業資金を円滑に供与すること。国の財政投融資計画に基づく資金を安定的に供与する、となっている。歴代総裁、社長には、小林中(初代日本開発銀行総裁)、社長には室伏稔・伊藤忠商事社長・会長、橋本徹富士銀行頭取など錚々たるメンバーが就任している。2018年に社長に就任した渡辺一氏は生え抜きである。

(文=編集部)

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