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ジブリの凋落?最新作『アーヤと魔女』世界中で酷評…「低予算ユーチューブ動画」「ぶざま」

文=高月靖/ノンフィクションライター
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 日本では昨年12月30日に日本のNHK総合テレビで初放送。今年4月29日から劇場公開が予定されていたが、緊急事態宣言の発令にともない公開延期となった。海外では今年2月にカナダ、アメリカなどの劇場及びHBO Maxで公開。4月6日からはBlu-rayも販売されている。

 ストーリー構成やキャラクターに関する批評は、ネタバレになるので避けておこう。ほかに多くのレビューが特に強調しているのは、3DCGへの不満だ。

 冒頭で紹介した「ARTnews」は、宮崎駿氏に対する賛辞の後でこう述べた。「ジブリ初のフルCGへの進出は不気味なアメリカの初期のCGアニメ(略)、自動生成された奇怪な子供向けYouTube動画(略)と並べられ、即座に酷評された」「アーヤと彼女の母親は(略)マテル社の人形のように見える」「(CGは)Pixarがやったように新しい美学をもたらすためでなく、予算節約のために導入されている」。また前述の「engadget」は「CGキャラクターの動きは固くて生気に欠け、表情は低予算の子供向けYouTube動画のようだ」、ほかにも「平坦で弱々しいCGのせいで、ジブリを有名にしている魅力的なアニメの美学がほとんど感じられない」(「Vox」2月3日付)、「最も残念なのはアニメーションだ」(「New York Times」2月5日付)といった調子だ。

海外メディアが引用した「生命に対する侮辱」発言

 興味深いのは前述の「IndieWire」と「engadget」が共に、かつて宮崎駿氏がAIによるCGアニメを批判した言葉を引用している点だ。これは、16年に放送されたNHKドキュメンタリーでの発言。ドワンゴの川上量生会長(当時)がAI学習で自動生成されたグロテスクな生物の動きをプレゼンテーションしたところ、宮崎駿氏は「極めて不愉快ですよね」「極めて何か生命に対する侮辱を感じます」と一喝した。

「engadget」はこの経緯と宮崎氏の発言を紹介しつつ、「私は『アーヤと魔女』について、そこまで評するつもりはない。美学に対する試みはある。だが貧しいストーリー描写と素人っぽいCGへのアプローチのせいで、台なしになっている」と続けた。一方の「IndieWire」は、「『アーヤと魔女』(略)を観れば、その日に宮崎が感じたことがわかる」とまで書いている。

「ネポティズム(縁故主義)」への批判も

 米誌「Under the Radar」は、4月7日付の記事で「Wish.com(格安で知られるネット通販業者)で『魔女の宅急便』を3ドルで注文して、代わりにこれが送られてきても驚かないだろう」と茶化した。廉価なコピー品のようだと暗に示唆しているわけだ。

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