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画期的な“人が人に薦め合うSNS”誕生秘話…ECや動画サイトのAIのおススメとは別物

構成=小内三奈・ライター・インタビュアー
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 この意外性は、残念ながらAIの世界ではレアケースとして除外されてしまう。私たちがネット上で日頃目にするおススメ情報は多くの場合、平均値から選ばれているにすぎない。あくまでも履歴からの機械的な類推でしかないのだ。

「ススメル」のおススメとAIのおススメは、まったく概念が違うのである。

世界初の発明「ススメル」ボタンで”人と人がつながる”

 似たようなサービスとして、書籍なら「ブクログ」などのレビュー、Amazonのレビューなどが有名であるが、それらのサービスと「ススメル」は何が違うのか。

 従来型のレビューサービスでは、あるひとつの作品に個人個人が感想を書き、星の数で評価をする。Aさん、Bさん、Cさんの評価が縦に1つずつどんどん貯まっていくスタイルだ。

 一方「ススメル」では、ユーザーが推薦した作品を起点に、そこから話題が展開していくように2つのボタンが用意されている点がポイント。「この作品に関連する作品をススメル!」ボタンと、「私もこの作品をススメル!」ボタンだ。この2つのボタンこそ、特許を取得した世界初の発明である。

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 ユーザーがおススメした「A」という作品に対して、「この作品に関連する作品をススメル!」ボタンを押すと、「Aを読んだならBもいいよ」「Aを読んだなら絶対Cもおすすめ」「Bを読むならDもいいよ」「Dを読んだならEも読んでみて」という具合に、次々とユーザーのおススメが連鎖していく仕組み。

 また、「私もこの作品をススメル!」ボタンを押すと、同じ作品をおススメする人とそのコメントが次々とつながっていく。

 レビューサービスとは異なり、ユーザー同士が横に横にとつながり拡がっていく。「ススメル」は、まるで「仲間同士が集まって会話しているような」場を用意することで、ユーザーの好奇心を刺激するだけでなく、同じ趣味、嗜好、価値観を持った”人と人をつなげる”役割までも果たすのだ。

開発者が7年前から求めていた「おすすめボタン」

 開発者である鈴木領一氏は、アメリカで120年の歴史がある「サクセス」誌と共同で世界トップクラスの自己啓発メソッドの開発に携わり、これまで1万人以上の人にそのメソッドを伝えるなど、自己啓発の分野のプロフェッショナル。「思考力研究所」を立ち上げ、もっと効率よく楽しく思考力を向上させ、意欲を向上させる手法はないかと、研究やビジネスを続けてきた。

「ススメル」のアイデアは、そんな鈴木氏が感じていた不満を解消したいとの想いから誕生した。

「私はAmazonのヘビーユーザーですが、Amazonのレコメンドはいつも『そうじゃないんだよな』と思っていて、時折『ウザいな』と思うこともありました。AmazonはレコメンドのためにAIに莫大な投資をしています。ビッグデータから個人の好みを分析して、AIが最適だと思ったおススメを表示しているはずですが、どうしても心が動きません」(鈴木氏)

 その理由を考えたとき、「AIにはそもそも歩んできた人生がないから、推薦する必然が見えず、心が動かない」「購入結果から分析されても機械的な類推にすぎないから、やはり心が動かない」「想像もしなかったものを推薦された、という意外性がまったく起こらない」ことが原因だと気づいたという。

 そして「やっぱり人は人からおススメされないと心が動かない。SNS上で人が人に薦め合うボタンがあればいいんだ!」とひらめいた。2014年10月10日のことだったという。

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