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東京都・学校図書館の民間委託を廃止させた都議に聞く(2)…違法状態横行、単身で切り込む

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

--そのときに東京労働局に行かれたんですよね?

米川都議 ええ、最初に東京労働局に行ったのは7月くらいでした。最初は、「じゃあ資料だけ受け取ります」ということで、契約データ、勤務体制表など入手した資料をすべて提出しました。また、「ここは問題あるのではないですか」と、自分で書いたものも添付しました。以後、都合3回くらい行っています。

--そこでわかったことは?

米川都議 従事者を兼務していても、業務責任者がその責務を果たしていれば、それ自体は違法とはいえない。問題となるのが、現場に従事者が1人しかいないときに、その人が業務責任者を兼務しているケース。その場合、発注者から従事者へ直接、指示・命令をしているとみなされて、偽装請負にあたることがわかりました。

--なるほど。完璧に対策したはずの仕様書にも、ほころびがあったんというわけですか。それで、各都立高校にも実態調査をされたんですか?

米川都議 はい。各校に対して、誰がどういう体制で勤務しているかを調査しました。とりわけ、1人勤務のときに、その人が業務責任者を兼ねているのかどうかが焦点でした。

--調査は直接、各校にダイレクトに行ったのですか?

米川都議 そうです。都教委を経ずに、会派の控室から直接、各校に質問票をファックスで送りました。学校側は突然、都議からファックスがきたので、さぞや驚いたでしょうね。各校はセンターに相談したようで、そこから高等学校教育課に上げられ、結局、回答は全部、高等学校教育課経由で返ってきました。

--私が、いくら質問しても一切回答しないのに、さすがに都議会議員からの調査ともなると無視できないのでしょう。その調査によって判明したのは、どのようなことでしょうか。

米川都議 朝から夕方、昼から夜までという時間帯を調査した結果、何校かは、従事者が業務責任者を兼務しているという回答がありました。また、連絡体制表では必ず「受託者」とされている本社の社員を通して従事者へ連絡するというツリー(指揮命令系統を示した連絡網チャート)になっていました。そうすると、この学校側の図書館担当者とやりとりする会社の人が真の業務責任者で、そのほかの人は仮の業務責任者でしかないということです。

--その事実を労働局に通報しましたか?

米川都議 はい。7月に、「都立高校では1人勤務で業務責任者を兼務している実態があります」という情報提供を労働局にしました。そのうえで、「このような仕組みは適法なのか」と聞きました。当初、労働局の担当者は「上司と相談します。報告します」というだけの回答でした。

--労働局サイドの反応がはっきりしたのは、いつごろですか?

米川都議 9月30日に議会で一般質問する2週間くらい前のことでした。偽装請負の可能性があることを追及したいという話をしにいったんです。そのときに「『偽装請負の可能性がある』と発言して大丈夫ですよ」「“可能性がある”ということなら問題がない」とまで言われました。これで、いよいよ一歩踏み込めるようになったんです。

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米川都議が情報開示請求により入手した公文書は5000枚以上に上る。このなかに、偽装請負の証拠が隠されていた。

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