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東京都・学校図書館の民間委託を廃止させた都議に聞く(2)…違法状態横行、単身で切り込む

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

--いよいよ、議会で一般質問。事前に当局と質問と回答の内容についてやりとりがありましたか?

米川都議 はい。最初の質問原稿では、「現状では違法の可能性がある」といった文言をズバッと言う文章にしていましたが、そのへんを「なんとかならないか」と言ってきました。“こうなったら違法の可能性がありますよ”などと、状況を限定した上で問題点を指摘するように変えてほしいという要望でした。

--その申し出は、都教委の誰からですか?

米川都議 “かなり上のほう”というところで勘弁してください。

--当日の質問原稿の表現を変えることで、事前に委託見直しの方向で決着していたのですか?

米川都議 そうです。偽装請負の可能性が確認されたという表現をやわらげるにあたって、「当然、業務委託は見直すんだよね」という話をしました。

--それに対して、どんな回答だったんですか?

米川都議 「委託は見直す方向でやりますが、まだ予算要求はこれからなので」と、具体的なことは、すぐには何もなかったです。やりとりは中旬から何度もありました。ただ、向こうからは回答があまりないような状況でした。どう対応するかを協議していたみたいです。大規模な転換になってくるので、なかなか回答が来ない状態が続きしまた。

--決着したのはいつですか?

米川都議 一般質問の前日、9月29日です。

--どういうふうに妥結したのでしょうか?

米川都議 9月29日の段階で提案がありました。その際に、予算要求はして、具体的にどういう形になるかはわからないが、「必ず来年度、直接雇用を入れる」という話でした。

--結果的に、9月30日の一般質問は、かなり柔らかい表現になっていましたね。

米川都議 そうですね。実際の質問自体は、業務委託をどうにかしろとは言っていません。あくまでも“チーム学校”として、直接雇用の職員ならやりとりできるのに、できないようなやり方をしているのはおかしいよねとか、司書教諭がかかわる時間が少ないよね、という話をしました。

--ここまで交渉が決裂せずに、うまくいったポイントはどこにあると思いますか?

米川都議 前年に共済組合のことを議会で取り上げたときの手法が役に立ちました。教育委員会事務局の職員は昭和37年の法改正以降、公立学校共済に加入しなければならなくなっているところを、東京都共済に加入しているのは問題ではないのかと指摘しまして、そういう法令違反の予算は認められませんと追及したのです。

このときに、教育委員会だけに話をしてもラチがあかないので、財務局の主計部に対して「こんな教育予算をつけるのならば、令和2年度の東京都の一般会計予算に賛成できません。どうするんですか」と迫りました。これが突破口になって変えられたので、学校図書館も同じような手法で臨んだのが功を奏したと思います。

--“違法の可能性があるような契約だったら予算化は認められない”とした点がキモだったのですね。都教委や財務局としたら、「共済のときのように、米川は忖度なしに爆弾をぶつけてくるぞ」という恐怖感があったわけですね。

米川都議 そう思います。

インタビュー後編に続く。
(文=日向咲嗣/ジャーナリスト)

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