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アマゾン「定期おトク便」デフォルト選択トラブル多発…なぜ「ダークパターン」放置?

文=二階堂銀河/A4studio
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「もちろん、きちんと商品ページを確認して買い進めれば、『定期おトク便』であることは明記されてあるわけです。ですから騙しているわけでも詐欺でもない。ですが、アマゾンは2、3クリックで簡単に商品を買える設計になっていますよね。そういった、“安心してポチれる仕組み”を利用して、消費者が望まない消費行動に導いているという“悪意”がアマゾン側にはあるといえるわけです。こうしたケースはここ数年で問題になっている『ダークパターン』と呼ばれるもので、アメリカでは訴訟問題に発展しています」(三上氏)

「ダークパターン」とは?

 ダークパターンには具体的にどういった事例があるのか。

「例えばネットで商品を購入する際に、楽天市場などはメールマガジンの受信設定が自動選択になっています。ほかには、解約ボタンは薄く小さいのに、継続や加入のボタンは大きく目立つようにしてあるといったサイトもありますね。

 さらに悪質のものだと、noindex(ノーインデックス)といって解約のページがグーグルの検索に引っかからなくなる設定にしているサイトもあります。携帯電話キャリアのNTTドコモとKDDIがそれを行っていたことが今年1月に発覚し、総務省から指導が入りました。

 そういったデザインや手続きに過度な変化を加えて消費者を騙し、操ることで消費者にとって不利なものにし、サイト側の利益になるように誘導する手法全般をダークパターンと呼びます」(三上氏)

 そういったダークパターンは、アメリカでは日本以上に社会問題になっているそうだ。

「アマゾンプライムを解約するために、10~20回ほどクリックさせられた末にページ内の隅っこに解約ボタンがある――そういった作りになっているとして、アマゾンは今年1月にアメリカの消費者団体から提訴されています。まだ世界レベルで問題視されているわけではありませんが、アメリカ・カリフォルニア州では法改正によって強い規制がなされ、ダークパターンについて本格的な検討が始まっていますね」(三上氏)

「定期おトク便」がダークパターンとして規制されない理由

 三上氏の解説を聞く限り、アマゾンの「定期おトク便」の設定もダークパターンに該当するように思えるが――。

「『定期おトク便』の設定も十分ダークパターンと呼べるでしょう。ただ、それ自体に違法性はないんです。“初期設定になっている”というだけで、『定期便』であることはきちんと明記してありますからね。私の知る限りでは、日本ではこの手のダークパターンに対するなんらかの規制をするようなガイドラインや法律はありません。ですからそういう意味では『定期おトク便』の設定は問題ないのです」(三上氏)

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