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“男らしさ”の幻想と男性優位社会の末路…『さよなら、男社会』著者が抱き続けてきた違和感

文=沼澤典史/清談社

 このような(男)社会的に合意が取れる論理と経験に則った結論を押し付けた結果、「男は論理的で女性は感情的」という揶揄が生まれた。

「決意表明が求められる社会に慣れ親しんでいる人は、『○○すべき』『○○だ』と強い断定口調を尊重します。『こう思うけど、やっぱりこうかもしれない』という曖昧な言い方には価値が置かれないのです。このような男社会の平均的な感覚に従う話法が“論理的”と男性の中だけで評価されているとすれば、女性の話法はそれと違うので『論理的ではない』と判断されるのも当然でしょう。男が論理的というのは、そういう社会構造が生み出した幻想であり、主導権を握りたいがための言い訳として用いられているのではないでしょうか」(同)

 尹氏は、一般の方を対象とするインタビューセッションを行っている。参加者のほとんどは女性だが、パートナーに前述のような振る舞いを感じているケースも多いという。

「彼女たちの中には、パートナーには言えないような話をする人もいます。言えないというのは、聞かれもしないし、話してもわかってくれないというあきらめがあるから。もちろん、ジェンダーの問題に高い意識を持つ若いパートナーもいますが、彼らにも同様の諦念を持っているといいます。また、多くの男性は女性から相談されたときに『君はものを知らないから教えてやる』というマンスプレイニング、いわゆる上から目線の説教を始めてしまう人も、やはり多い」(同)

 もしくは「要するにどういうこと?」と自らの話法を強要し、「俺がわかるように言ってくれ」と、またもや上から目線でものを言う。このような振る舞いが女性たちに諦念を覚えさせるのだ。

 ちなみに、マンスプレイニングに対して女性が相槌を打っているのは「共感性が高いのではなく、逆らうと面倒なのと、そうやってほめてやらないとぐずり出すと、経験的に知っているから」(同)。いい解決策を教えてあげたと悦に入ったことのある男性たちは、この言葉を肝に命じておきたい。

女性たちが呆れた男性の要求とは?

 変革を余儀なくされる社会において、自身の振る舞いを変えていきたいと考える男性もいるだろう。ただ、尹氏は次のような例を挙げる。

『さよなら、男社会』 僕らはいい加減、都合のいい妄想から目を覚まさなければならない。圧倒的な非対称を生きる僕らは、どうしてその事実に気づけないのか。真に女性と、他者とつながるために、乗り越えねばならない「男性性」の正体とは何か。 amazon_associate_logo.jpg

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