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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(16)

ANA、SNS投稿“自意識過剰すぎる”社内研修…「大企業で働いているだけで妬みの対象」

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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 確かに、アイドルやスポーツ選手など著名人だけでなく一般人のアカウントに対して誹謗中傷するなど、反社会的、非常識な投稿に対して「いいね」を押すのは社会人として問題だろう。しかし、ANAの場合、ステイ先で以下のようなごくごく普通の投稿を「いいね」するだけで懲戒処分の対象になるというのだから、行き過ぎの間は否めない。

ANA、SNS投稿“自意識過剰すぎる”社内研修…「大企業で働いているだけで妬みの対象」の画像6

 この「不適切な投稿」の例をご覧いただければお分かりになるように、「初めてのcrewと過ごしたParis」との書き込みや、ハッシュタグにANAのCAを匂わす「crew」と場所を示す「Paris」の文言入っている時点でアウトだという。少なくとも、この投稿ではANAやCAという文言はまったく入っていないにも関わらず、である。

 この研修の対象となっている20代から30代前半くらいのCAは、インスタグラムなどSNSに写真とコメントを投稿するのが当たり前の世代であり、何が「不適切」なのか、そしてなぜ懲戒処分まで受けなくてはならないのか、まったく理解不能だろう。

ANA、社員のSNS投稿に対する強い警戒心

 ANAの研修で示される社員のSNS使用についての方針を見てみよう。以下がそれである。

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「会社の名誉を毀損し、信用を傷つける行為や、業務上の機密事項を洩らした場合、就業規則違反となり、懲戒処分の対象となります。SNSについては、限定公開や自動消去の設定にかかわらず、会社にかかわるいかなる情報も投稿してはなりません。

 自分が思っている以上に、ANAグループ社員やANA CAであることが容易に推測される。1つ1つの投稿は問題がなくても、情報を総合すると特定されてしまう。本人はネガティブではないと思っていても、読み手によって、受け取り方は異なり、自分が気が付かないうちに、 第三者に不信感や不快感を与えてしまう。

 ストーリー機能(筆者注:一定時間が経過すると消去される機能)で投稿したとしても、スクリーンショットをされた場合、他人と共有できてしまう。何気なく載せたひとことが、SNSで出回り、思わぬトラブルに巻き込まれることがある。一度投稿したら、瞬く間に広がり、本人のみならず、ANAブランドも傷付ける可能性がある。コンプライアンス違反に繋がる行為は、経営にも大きな打撃を与えます。会社がおかれている状況を認識し、規程や遵守事項を正しく理解しながら、 ANAグループ社員として、自覚と責任のある行動をしていきましょう」

 かなり厳格な印象を受けるSNSについてのルールだ。このルールにはSNS上のプロフィールで「ANA社員」という身分も「CA」という職業も公開していない場合も含まれるというから徹底している。オンライン研修では、この姿勢が如実に現れた設問がある。以下がそれだ。

「Q:SNSのトラブル回避の対策として適切なものを選んでください。

A:会社や業務にかかわる情報を投稿する場合は社員にしか意味がわからない専門用語を使用したうえで、<私見です>と但し書きをつけ、トラブル防止を徹底する。

B:一度投稿した内容は完璧に取り消すことはできないので、自分や会社、あらゆる関係者の将来に影響をおよぼすリスクがないか常に注意している。

C:過去の投稿について確認し、適切でない内容は全て削除したが、入社前SNS投稿までさかのぼって投稿内容を確認したり削除したりする必要はない。

D:SNSで会社や業務にかかわることを投稿して炎上したり、トラブルに巻き込まれたときは、上司には知らせず自分ひとりで解決する」

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