ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal

放送されるたびにネット上には礼賛記事があふれ、コメント欄も大盛り上がり。その大半は「ここがすごい」「他のドラマとは違う」「こんなセリフ聞いたことがない」などのポジティブな言葉で埋め尽くされる『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ・フジテレビ系)。
視聴率は民放ゴールデン・プライム帯のドラマで『レンアイ漫画家』(フジテレビ系)に次ぐワースト2位と低調だが、コメントの多さと熱は「見ている人の愛情がいかに深いか」を示している。それだけ「コメントを書き込みたくなる」「好きなところを共有したくなる」特別な作品ということだろう。
ストーリーに関しては多くの記事がいろいろ書いているためここでは控えるが、「なぜここまで礼賛されているのか」と「それが現在のドラマシーンにどんな影響を与えるのか」を掘り下げていきたい。
作品ごとにフィーチャーされるセリフ
まず同作は、なぜここまで礼賛されているのか。その理由は主に坂元裕二の脚本と、それに応える俳優たちの演技の2点が考えられる。
坂元裕二の作品は、2010年の『Mother』(日本テレビ系)あたりから、ネット上に名言集がアップされるなどセリフに注目が集まるようになっていった。以降、『それでも、生きてゆく』(フジテレビ系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『Woman』(日本テレビ系)、『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)と新たな作品が放送されるたびにセリフがフィーチャーされてきた。
魂の叫びのようなセリフ、視聴者に気づきを与えるセリフ、気の利いたオシャレなセリフ、格言のような考えさせられるセリフ……バリエーションも全体のセリフ量も増え、2017年の『カルテット』(TBS系)では、さらに激増。「唐揚げにレモンをかけるか」を筆頭にクセの強いセリフをたたみかけて熱狂的なファンを生み出していた。
さらに『大豆田とわ子と三人の元夫』は、その『カルテット』の倍以上、クセの強いセリフが盛り込まれている。登場人物たちは最初から最後まで、現実世界の会話ではまず言わないであろうセリフをかけ合い続けているのだ。
「さすが」と「苦手」の両極端
このクセが強いセリフが熱狂的な声の源であり、逆に「見づらい」「面倒くさい」などの拒絶を生んでいる理由でもある。「さすが坂元さん」「すごすぎる」と思う人と、「自分に酔っている」「“ドヤ感”がすごくて苦手」と思う人が両極端なのだ。
実際、坂元作品の中でも、「『Mother』『最高の離婚』『Woman』くらいならいいけど、『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』はやりすぎ」という人が少なくない。これほどクセの強いセリフが乱発されても、「さすが」「すごすぎる」と感じている人は、坂元作品の“信者”と言ってもいいのではないか。
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