NEW
住宅ジャーナリスト・山下和之の目

マンションなどマイホーム、“できるだけ若いうちに買う”が正解?10年で価格3割上昇

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,

 しかも、借入金が少なくなるので、返済負担が軽く、早く返済を終えて、老後生活のゆとりが出てきます。

 一次取得者の借入額の平均は3269万円ですから、金利1.0%、35年元利均等・ボーナス返済なしの毎月返済額を試算すると9万2279円です。それに対して、二次取得者の借入額の平均は2245万円ですから、同じ条件で計算すると6万3373円に減少します。これだけ負担が軽くなるのであれば、35年返済ではなく30年、25年と短くすることができます。30年なら7万2208円、25年なら8万4607円です。

老後は住宅ローン返済のない住まいでゆったりと

 図表5にあるように、二次取得者の平均年収は1000万円を超えていますから、もっと返済期間を短くすると、20年で10万3246円。年収1000万円なら年収に占める返済額の割合である返済負担率は12.4%ですから、まったく問題ないでしょう。返済期間10年にしても、毎月返済額は19万6671円ですから、年収1000万円なら返済負担率は23.6%なので、まだゆとりがあります。

 ただ、ゆとりがあるといっても10年以内にすると住宅ローン減税の対象外になってしまうので、住宅ローンを利用するなら10年以上にしておくのが得策でしょう。いずれにしても、返済期間を短くできるので、リタイア時までに完済して、住宅ローン返済のない住まいで、ゆったりとした老後を過ごせるはずです。

マンションなどマイホーム、“できるだけ若いうちに買う”が正解?10年で価格3割上昇の画像6
※注文住宅は建替えを除く(資料:国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』

ローンがなければ老後生活の選択肢が増える

 住宅ローンが終わっていれば、老後の生活の選択肢が増えます。まずはバリアフリーの行き届いた住まいを選択すれば、多少体に不自由な面が出てきても、何とか生活できるでしょうし、それ以上に問題が出てきたときには、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに入ったほうが安心です。

 その際、住宅ローンを完済していれば、売却代金をサ高住や老人ホームへの入居資金に回すことができます。ひとくちにサ高住といっても、2021年3月28日付けの記事、「“終の棲家”の格差に愕然┄┄人気の『サ高住』の厳しい現実 台所なし・浴室なしが大半」で振れたように、お金があるとないとでは、入居できる住まいがまったく違ってきます。

 そのためにも、できるだけ早く取得して、リタイア前に買換えしておくことが重要になってくるわけです。冒頭に振れたように、いまなら超低金利で住宅取得支援策も充実しています。いつまでもそうとは限らないので、その点でも早めの取得が安心でしょう。

(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)

●山下和之/住宅ジャーナリスト

1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に、新聞・雑誌・単行本・ポータルサイトの取材・原稿制作のほか、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』『家を買う。その前に知っておきたいこと』(以上日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(執筆監修・学研プラス)などがある。

日刊ゲンダイ編集で、山下が執筆した講談社ムック『はじめてのマンション購入 成功させる完全ガイド』が5月11日に発売された。

情報提供はこちら

RANKING

5:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合