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東京都・学校図書館の民間委託を廃止させた都議に聞く(3)…民間委託加速の潮流に待った

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

--そういうなかでも、ひとつ有利なことがあったそうですね。

米川都議 はい。昨年12月の第4回定例会から、都市整備委員会の委員長に任命されまして、そうすると100%、予算特別委員会に出席できます。一般の議員は、予算の賛否は最終日の本会議でしかできませんが、予算委員会に入ってしまえば、そこで予算の賛否を表明することができ、さらに本会議でもやりますから、2回ダメ出しするチャンスをもらうことになるわけです。

--都知事与党の第一会派議員が、都教委提出の予算案に反対するなど前代未聞。そこで立ち往生したりすると困りますよね。一方では都民ファーストの会としての対応に持ち込んだのですね?

米川都議 そうです。どうにも動かなくなったので年明けに、うちの党三役に話をしました。当初、あんまり動きが俊敏ではありませんでした。

--そこで、要求をまとめた「米川ペーパー」の原案を作成したのですよね?

米川都議 そうです。政調会長に、まずはこういう問題があるので、予算は認められません、というペーパーを出しました。つまり、このまま委託するのなら認められませんよとした文書です。これだけおかしなことをやっているのだと突きつけたのです。1月の半ばのことだったと思います。

 出したのは、知事、予算の財務局長、それと教育長。そこの秘書担当のところに全部持っていき、こういうことを問題視しているので、ぜひ渡して読んでほしいとお願いしました。これが読まれたみたいで、また、政調会長から「どういう形になったらいいのか、具体的な案を出してくれ」と言われました。それで正式な”米川提案”にしたんですよ。

--どのような提案でしたか?

米川都議 偽装請負をなくすため、業務委託の廃止、専任の司書教諭の配置などですね。学校図書館のあり方としては、養護教諭のようなものなので、本来は専任の司書教諭がいて、学校全体をみるべきなのですが、それは定数のこともあるので、各課程、定時制、全日制それぞれの課程に1名ずつ、司書教諭、学校司書を配置。あとは、図書館業務を監督指導する専任の組織の設置などです。

--それに対して都教委の対応は?

米川都議 まずは当初の予定通り、新規委託予定だった10校は、会計年度任用でやりますと。それから今年3月で切れる委託契約については、3年間長期継続契約をもう1回締結して、2024年4月1日から委託をやめるという方針でした。

--新たに3年契約を継続するんですか? 

米川都議 そうなんです。長期契約をもう1回行うとは知りませんでした。それをみて政調会長に、「おかしいじゃないですか。こんなのではのめませんよ」という話をしました。そうしたら単年度の契約に変わりました。これまでの、契約が切れるごとに直接雇用へと切り替えるというものです。この完了が最終的に、2023年4月です。

 焦点は、2020年度末(今年3月31日)で契約が終わるものの扱いをどうするかでした。一度に全部廃止してしまうという案もありましたが、そうではなく一度検証してからということになりました。

東京都・学校図書館の民間委託を廃止させた都議に聞く(3)…民間委託加速の潮流に待ったの画像2
米川都議が1月中旬に、教育長、財務局、都知事の各部署に提出した文書。
“都立高校学校図書館では、今日も違法行為は行われています”と過激な見出しが踊っていた。

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17:30更新
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