ビジネスパーソン向け人気連載|ビジネスジャーナル/Business Journal
超高層マンションでも南向きの価格が一番高い
たとえば、東京カンテイでは東京都23区で分譲された超高層マンションを調査したところ、方位による価格差は図表2のようになったそうです。主な開口部が南向きの平均坪単価は342.8万円で、東向きは329.6万円ですから、南向きを100とした比率でみると東向きは96.1です。同様に西向きは94.2、北向きは92.0です。超高層マンションであっても、やはり価格面での“南高北低”の原則に変わりはありません。
マンションの立地によって真南向きにできない場合には、南東向きが最も高くなります。南東向きを100とすれば、南西向きが97.2で、北東向きが92.9、北西向きが91.7になっています。
しかし、上層階からの眺望がセールスポイントの超高層マンションでは、向きだけではなく、そこから見える眺望も大切になってきます。なにしろ、超高層マンションでは、上層階ほど眺望が自慢で、低層階に住む人たちのために、最上階にラウンジなどを設けて、最上階の眺望を楽しめるように配慮している物件もあるほどです。
立地によって北向きや西向きのほうが高いことも
それぐらい超高層マンションでは眺望が重視されているわけですが、その眺望が日当たりのアドバンテージを上回ることがあります。特に、東京都23区の超高層マンションであれば、都心の超高層ビル群、なかでも東京タワーが見えるかどうかが重要な要素になってきます。東京都23区のマンションであれば、都心のビル群や東京タワーが見える方位の住戸が高くなるのです。そこでは日当たりは関係ありません。
たとえば、東京都23区の北側にあるマンションであれば、南に超高層ビル群や東京タワーが見えるので、南向きが高くなりますが、反対に東京都23区の南側にあるマンション、たとえば、大田区、品川区などの場合には、都心の超高層ビル群や東京タワーが見える北向きの住戸のほうが高くなります。
これは、東西の関係でみても同様で、東京都23区の東側、たとえば江東区などの湾岸にあるマンションなら、都心のビル群や東京タワーが見える西向きの住戸が、東向きより高かったりします。
東京タワーが見えれば見えない住戸より2割以上高い
東京カンテイの調査によると、港区三田にある超高層マンションの平均坪単価は図表3のようになっています。一番日当たりの良い南東向きではなく、日当たりの良くない北東向きの住戸が最も高くなっています。いうまでもなく、東京タワーを正面に臨むことができる立地だからです。