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たとえば、30階をみると、北東向きが坪単価597.3万円と最も高く、基準となる南西向きを100とした比率では121.5で、2割以上高くなっています。反対に、一番安いのは北西向きの482.5万円で、南西向きに比べての比率は98.1です。北西向きに比べると北東向きは23.8%も高い計算です。
これは、30階に比べて眺望が劣る20階だと差が縮小し、10階だとさらにその差が小さくなり、15.6%になります。
コロナ禍で窓からの景色への評価は高まる可能性
東京都23区の超高層マンションからの眺望を評価する上では、いまのところ東京タワーが最も大きな影響力を持っているようです。まだまだ歴史の浅い東京スカイツリーは、デザイン上、東京タワーより線が細いこと、また周辺に超高層ビルやマンションが少なく、迫力に乏しいこともあって東京タワーほどのインパクトはないようです。
いずれにしても、超高層マンションにおいては、日当たりだけではなく、眺望が重要であることがわかります。その点は、コロナ禍でますます重要になってきそうです。自宅の滞在時間が長くなり、夜の外出も減っているので、自宅で外の景色を見る時間が長くなっています。それだけに、そこから何が見えるかという点が、日当たりとは別に重要な評価ポイントになる可能性があります。これからの住まい選びを考える上では注目しておいていい点ではないでしょうか。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)
●山下和之/住宅ジャーナリスト
1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に、新聞・雑誌・単行本・ポータルサイトの取材・原稿制作のほか、各種講演・メディア出演など広範に活動。主な著書に『よくわかる不動産業界』『家を買う。その前に知っておきたいこと』(以上日本実業出版社)、『マイホーム購入トクする資金プランと税金対策』(執筆監修・学研プラス)などがある。
日刊ゲンダイ編集で、山下が執筆した講談社ムック『はじめてのマンション購入 成功させる完全ガイド』が5月11日に発売された。