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すぎもとたかよし「サラリーマン自動車ライターのクルマ業界ナナメ斬り!」

BMWの巨大グリル問題に思う、自動車メディアのあるべき姿とは? 

文=すぎもと たかよし/サラリーマン自動車ライター

 ドライブフィールに関しても、ある種の感覚が失われるのは、その分別の機能や性能が大きく進化していることを示しているのであって、これもまた販売の障害にはならないはずだ。正直に書かれた文章にはそういう包容力がある。

 逆に、話題になっているにもかかわらず、そのことに一切触れていない他の3人の記事には不自然さを感じてしまう。向上した性能のことだけで必死に誌面を埋めようとしているのが透けて見えるのだ。

 先日、普通の主婦が自費で始めた白物家電の性能比較ブログが、その公平で厳しいテスト内容ゆえ評判になり、ついにはメーカー自身からテストの依頼が来るようになったという話をテレビで観た。番組内の街頭インタビューでは、若者ですらウェブなどで見かける提灯記事を疑問視し、こうした素人の率直なリポートのほうが信じられると答えていた。

 当たり前だけど、ユーザーも読者もお手盛り記事をそのまま信じるほどバカじゃないのである。それより、厳しくともフェアな記事のほうが信頼され、最終的には評価される。それは同時に商品開発にもいい影響を与え、好循環が生まれる。雑誌を含め、多くの自動車メディアはなぜかそこに気づかない。

 そうそう、件のBMWの巨大グリルについてだけど、僕もあまり賛成はできない。大き過ぎてバランスが悪いこともあるけれど、それよりも、フロントフェイスばかりで個性を出そうという発想がカーデザインとして疑問だからである。

(文=すぎもと たかよし/サラリーマン自動車ライター)

すぎもとたかよし/サラリーマン自動車ライター

すぎもとたかよし/サラリーマン自動車ライター

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、クルマも最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。

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