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木村誠「20年代、大学新時代」

奈良女子大、なぜ女子大初の工学部を新設?お茶の水女子大にも共創工学部誕生で人気沸騰か

文=木村誠/教育ジャーナリスト
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 これまで、工学部で学ぶ技術は進化・細分化し、その技術成果に人々の消費生活を合わせてきた。ところが、この4系の学びからは、人々の生活や社会に技術を上手に適合させようとする発想が垣間見られる。

 関西圏は首都圏より国公立志向が強く、まして現役志向の強い理系の女子受験生にとって、後期入試を実施している奈良女子大の工学部は、後期試験のない京都大学や大阪大の前期の併願先としても最適だ。もちろん第1志望も少なくないだろうし、難易度は初年度からかなり高くなりそうだ。

お茶の水女子大の共創工学部は2学科に

 2016年に大学院に奈良女子大との生活工学共同専攻を設置したお茶の水女子大も、2023年度に人の暮らしに役立つ生活工学などを学ぶ共創工学部を新設する予定だ。まず人間環境工学科を新設する計画で、環境や建築、医工学や材料など人間生活の視点で技術と情報を研究する現在の生活科学部人間・環境科学科をベースに、理学部情報科学科のノウハウもフルに活用する。奈良女子大との共同設置による大学院生活工学共同専攻で蓄積してきた成果を生かすことができる。

 続いて、2025年度には人文科学と情報学を融合させた文化情報工学科を増設、1学部2学科とする。同大学の文理融合AI・データサイエンスセンターで行われる、学際分野における研究と教育の実績がベースになる。ジェンダーの視点を取り入れ、DSやAIに興味を持つ女子生徒のニーズに対応する。

 高校では2022年度から「情報」が必修科目となり、プログラミングやデータ分析の素養を持つ生徒が急増するだろう。奈良女子大やお茶の水女子大の新学部は、これから高校で情報を学ぶ女子受験生の人気を呼ぶことは必至だ。

(文=木村誠/教育ジャーナリスト)

●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。

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