失言の霜降り明星・粗品は天狗になっていたのか?サンドウィッチマンとの大きな差の画像1
霜降り明星 プロフィール|吉本興業株式会社」より

 お笑い第7世代を代表する芸人、霜降り明星粗品のラジオでの発言が炎上を巻き起こしている。

 7月9日深夜に放送された『霜降り明星のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で粗品は、静岡朝日テレビの番組で共演する宮崎玲衣アナウンサーの雨女疑惑をネタにする形で「熱海が終わった。雨で。宮崎アナのせいで」と発言した。

 静岡県熱海市で大規模な土石流災害が起きたのは7月3日。多くの死傷者や行方不明者が出ている中、公共の電波でするべき発言ではなかったことは明白だ。問題の発言の後、粗品は番組内で「現在も安否の不明な方がいる中で配慮のない発言をしてしまい申し訳ございません」と撤回してお詫びした。

 また、粗品はプロデューサーから厳重注意を受けたといい、ニッポン放送の檜原麻希社長も定例会見で謝罪する事態となったが、まさに冗談で済むような内容ではなかった。

2011年のビートたけしとサンドウィッチマン

 この件で思い出したのが、2011年に東日本大震災が起きた際のビートたけしのコメントだ。当時、たけしは「週刊ポスト」(小学館)で以下のように語っている。

「よく『被災地にも笑いを』なんて言うヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ」

 まさに正論である。

 東日本大震災が起きた際に現地でロケをしていたサンドウィッチマンも、震災の翌日はラジオで重苦しいコメントに終始。「僕らの使命だ」として、芸人人生をかけた義援金を即座に立ち上げた。

 そして、1週間後。被災地の人たちを元気づけるために2時間の『オールナイトニッポン特別放送』に出演。「僕らのような芸人が、現地の人たちを元気づけるためにどうすればいいのか」と、番組の入り方やオンエアするコンテンツについて、最後まで悩んだという。後に、伊達みきおは「今までの仕事で一番難しかった」と振り返っている。

 悲しみに暮れる人を多く生んでしまう事件や事故、自然災害をネタにするのは、お通夜で笑うぐらい非常識なことなのかもしれない。

粗品は“天狗になっていた”のか?

 今回の失態について「粗品は天狗になっていた」などと非難する声もあるが、どうなのだろうか。あるテレビ番組の関係者は、次のように語る。

「“天狗になっていた”というのは、少しニュアンスが違うと思います。今回の件は“口が滑ってしまった”類のもの。というのも、粗品はどんな番組でも常に真剣で、一所懸命お笑いを追求しています。見方を変えれば、完璧主義者なんですね。霜降り明星の2人はコントも抜群にうまいですし、フリートークも安心して聞いていられます。今は、素直に反省していることでしょう」

 漫才界の大御所で上方漫才協会会長の中田カウスも絶賛しているほど、霜降り明星の芸はレベルが高い。今回の件を教訓として成長し、一回りも二回りも大きくなってほしい。霜降り明星のファンは、そう思っているはずだ。

(文=井山良介/フリーライター)

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