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大企業、資本金1億円に減資の“中小企業化”急増、税負担を軽減…法人税、抜本的見直し議論が浮上

文=編集部
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 文系学生が志望する会社のトップだったこともある旅行最大手、JTB(東京・品川区、非上場)は3月31日付で資本金を23億400万円から1億円にした。筆頭株主は財団法人日本交通公社(持ち株比率30%)だが2位はJR東日本(同22%)、3位がJR東海(同13%)。JR西日本、JR九州、JR北海道が株主に名を連ねる。鉄道院(のちの鉄道省)が母体となってJTBの前身のジャパン・ツーリスト・ビューローを発足させた経緯から、旧国鉄勢の影響力が強い。

 居酒屋「金の蔵」などを展開する三光マーケティングフーズ(東証2部)は6月29日と30日と2回にわたり、資本金を29億円から5000万円に減らした。着物販売や結婚式場を運営する一蔵(いちくら、東証1部)は7月30日付で10億円だった資本金を5000万円にする。

 減資には株主への払い戻しを伴い、純資産が減る有償減資と払い戻しなしで純資産は変わらない無償減資の2種類がある。減資する企業の大半は無償減資で税負担の軽減につながる資本金1億円以下とする例が目立つ。

上場企業の減資には税金逃れの批判

 東京商工リサーチによると、2020年度(20年4月~21年3月)に減資した企業は3321社(前年度比35.6%増)で1年前と比べ873社増加した。1億円以下に減資し、税制上は中小企業に扱われる大企業は997社(同39.4%増)と約4割増えた。

 資本金が1億円以下になると法人税率の引き下げが期待できるほか、法人事業税については赤字でも納める必要がある外形標準課税が免除される。かっぱ寿司のカッパ・クリエイト(東証1部) が21年2月に98億円から1億円に減資した。スマホゲームを開発しているグリー(東証1部)も20年11月、資本金を23億円から1億円とした。

【資本金を1億円へ減資した主な企業】

※社名、業種、旧資本金、備考

・JOLED         有機ELパネル開発       877億円        非上場

・レオパレス21         賃貸アパート           812億円        東証1部

・オンキヨーホームエンターテイメント 音響機器製造 117億円  JQ上場,上場廃止へ

・カッパ・クリエイト    回転すしチェーン運営     98億円        東証1部

・スカイマーク      エアライン            90億円        非上場

・チムニー         居酒屋「はなの舞」など   57億円        東証1部

・毎日新聞社        日刊新聞発行           41億円        非上場

・グリー           スマートフォンゲーム開発 23億円        東証1部

・JTB           旅行代理店        23億円        非上場

 資本金は企業の格を示す指標とされてきた。資本金が1億円以下になると企業のイメージダウンは避けられないが、税負担が軽くなるという直接的なメリットがある。本来は経営体力がなくなった企業のための優遇措置を、上場している大企業が受けることには批判が根強い。2015年、シャープが資本金を1億円に減らすことを検討した際には、「税金逃れ」との批判が集中した。

 上場企業が、コロナ禍に悪乗りして、右にならえで1億円になることに対して、税制上の抜け道を封じるべきとの指摘も出ている。外形上の資本金の多寡だけで負担が変わる税制の見直しにつながる可能性がある。

(文=編集部)

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