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かまいたち、ギャラ抑えて売りまくれ!吉本興業の“必勝パターン”発動中で試される真価

文=藤原三星
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今やテレビで見かけない日はない、飛ぶ鳥を落とす勢いのお笑いコンビ・かまいたち(右側の2人)。昨今の活躍ぶりを見れば、今期の新番組ラッシュもさもありなん。画像は、同じく人気コンビ・千鳥との冠番組で10月から始まる『千鳥かまいたちアワー』(日本テレビ公式サイトより)。

 10月といえば、テレビ局の改変期。今回の発表で大きな注目を集めているのが、人気芸人・かまいたちの圧倒的な躍進ぶりだ。

 日本テレビは『うちのガヤがすみません!』『有吉反省会』と2つの人気番組を終わらせ、その枠にどちらもかまいたちが出演する新番組『超無敵クラス』『千鳥かまいたちアワー』が始まる。また、テレビ朝日ではかまいたちによるゴールデン帯の初レギュラーMC番組『ウラ撮れちゃいました』もスタート。

 かように誰もが認めるかまいたちの大躍進ぶりを、ある放送作家はこう分析する。

「賞レースでは誰もが羨むほどの結果を残し、ロケもトークも高レベル。東京に進出した当初は結果が出ずもがいている時期もありましたが、2019年に『M-1』で準優勝を獲った後、ほどなくしてテレ朝の(エグゼクティブプロデューサー)加地倫三さんにハマり、『アメトーーク!』を中心に爪痕を残し続けたのが今の大ブレイクにつながっています。

 それと、大阪時代から千鳥とともに切磋琢磨してきたことが、彼らにとっての追い風にもなっている。『高校生クイズ』(日本テレビ)のメインパーソナリティーもいつの間にやらかまいたちが担当していますが、これも以前は千鳥がやっていてそれを引き継いだもの。千鳥はすでにレギュラー番組が落ち着き、芸人として格も相当上がったため、単発企画へのゲスト出演などはなかなかしづらくなった。そこに現れたのがかまいたちであり、千鳥からの“こぼれ球”をすべて正確に打ち返し、制作サイドの想像を上回るクオリティを見せ続けた。それが、現在の彼らの快進撃につながっているのでしょう」

 今回の10月改編説明会でテレビ朝日の榊原誠志総合編成部長も、「『かまいガチ』でも若者を中心に求心力があり、2人のバランスの取れたトークもいけますし、ロケもいけるという、バランスの取れたコンビが魅力だなと感じております」と、2人の能力を高く評価してみせた。

「テレビ朝日で2020年10月に新設された深夜のバラエティ枠『バラバラ大作戦』の一環で始まった『かまいガチ』は、当初は深夜2時台の20分番組でした。それが、テレ朝スタッフ内の投票で1位となり、たった半年で24時台の30分枠に昇格。毎週企画性の高いハイレベルな笑いを提供できており、今のかまいたちを代表する番組になっていますね

 10月からはコンビでのレギュラー番組は10本。これだけ忙しくてもYouTubeを1日おきに配信し、チャンネル登録者数は140万人目前の大人気チャンネルに。ネットにも強く、若い視聴者との相性がいいだけでなく、マンガやマネー知識も豊富なので、お勉強系のバラエティにも強い。バラエティではすでに無双状態ですよね」(前出・放送作家)

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2020年2月に開設したかまいたちのYouTubeチャンネル『ねおミルクボーイ』は登録者数139万人と、こちらも大人気。この不思議なチャンネル名は、バラエティー番組「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)内でダウンタウン・松本人志 が即興で考案したそう。(画像は同チャンネルのトップページより)
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スタートは深夜2時台だった『かまいガチ』(テレビ朝日系)も、たった半年で24時枠に“昇格”。かまいたちは、スタジオトークからロケまでなんでもこなせるお笑い優等生! (画像は同番組公式サイトより)

ギャラを下げて売りまくる…吉本興業の“必勝パターン”が現在発動中

 では、かまいたちの今後はこのまま安泰なのだろうか? ある民放テレビ局プロデューサーはこう語る。

「もともとは2009年に、『めちゃイケ』や『はねトび』の流れをくむバラエティ番組『ふくらむスクラム‼』に抜擢され、一度目の東京進出を果たしていた2人。結果的にこの番組は1年で終了してしまいましたが、あの千鳥よりも先にフジテレビの王道バラエティに起用されたわけで、その実力は折り紙つき。今はローカルのレギュラーも多くこなしているため、今後は全国区のゴールデンで結果を出しつつローカル仕事を整理していけば、よりお茶の間の顔になっていけると思います。

 あと、かまいたちをメインとした新番組の企画書が今や各局で量産されている状況なのですが、実はその理由として、彼らのギャラの安さがあります。これは吉本がよくやる戦略なのですが、売れっ子であるかまいたちのギャラを抑え、とにかく出演本数を稼ごうとしているんです。つまり、かまいたちは大セール中なので、番組サイドも予算的に起用しやすい。また、吉本側も『スケジュールさえあえばなんでもやる』というスタンスなので、結果的にかまいたちのお試し特番やゲスト出演がここまで増えたというわけなんです。

 こうして現在、不眠不休状態でテレビに出まくってるかまいたちですが、あと1年で芸人としてどこまで飛躍できるかが勝負。うまく大ブレイクを果たせれば、レギュラー番組も整理され、芸人としてのランクも上がり、ギャラの水準も一流芸人のレベルにまで上がることでしょう。ダウンタウンやナインティナイン、そして千鳥も同じやり方で売ってきたので、“吉本の必勝パターン”が動きだしているという意味では、彼らの今後は安泰といってもいいでしょうね」

 売れっ子芸人の仲間入りを果たしたからこそ、現在、さらなる試練を与えられているともいえるかまいたち。このまま大躍進を遂げられるのか、刮目して待ちたい。

藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

Twitter:@samsungfujiwara

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