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M&Aアドバイザリー国内最大手・GCAは、なぜ他社から買収される側になったのか?

文=編集部
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 日本の株式市場や日本式経営への知見を持つフーリハンがGCAに狙いを定めたのは、日本のM&A市場で、今後、中小の案件が増えるとみているからだろう。ビジネスチャンスあり、とみたようだ。

 M&A関連業界で現在上場を果たしているのは6社だ。GCAは助言業務、日本M&Aセンターホールディングス、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライク、オンデック(東証マザーズ)、名南M&A(名古屋2部)の5社は仲介業務が主力だ。助言業務は買収か売却の一方の側に立って交渉を進める。これに対し買収する側と売却する側の間に立って交渉を進めるのが仲介業者だ。仲介業務は規模が比較的小さい案件や中堅、中小企業の事業の承継関連が主流になっている。

共同創業者だった佐山氏、スカイマークの会長を退任

 今後注目されるのは、GCAの渡辺代表の去就だ。日米で公認会計士の資格を持ち一橋大学大学院法学研究科客員教授、神戸大学大学院経営学研究科客員教授などを歴任した。2004年、渡辺氏は佐山展生氏らとGCAを共同創業した。佐山氏は三井銀行(現・三井住友銀行)でM&Aアドバイザリー業務を担当。1999年、日本で初めての大型バイアウト・ファンド、ユニゾン・キャピタルを共同で立ち上げた。

 GCAでは05年に当時過去最大のMBO案件とされたワールドの株式非公開を成功させた。06年、阪急と阪神の関西系の大手私鉄の経営統合という日本のM&Aのランドマーク的な仕事をやり遂げた実績を持つ。06年、M&Aアドバイザリー企業として東証マザーズ市場に初めての上場を果たした。12年、東証1部に指定替えとなった。

 渡辺氏と佐山氏は経営の方向性の違いから袂を分かった。渡辺氏はあくまで助言会社に徹することを主張したのに対し、「自分で投資をしてみたい」とする佐山氏は投資ファンド志向を強めた。

 佐山氏は07年9月、投資会社インテグラルを設立した。15年9月、民事再生中の航空会社スカイマークにインテグラルが出資したのに合わせて、佐山氏はスカイマークの会長に就任。スカイマークの再上場を目指していた。だがコロナが佐山氏を襲う。昨年12月にコロナに感染し入院していたことを明らかにした。4月20日、スカイマークの会長を退任。同時にスカイマークに50.1%に出資するインテグラルの代表も退いた。

 フーリハンにGCAの保有株(保有割合は8.61%。21年6月末時点。公開買い付けに関するGCAの発表によると8.05%となっている)を売り渡すことになった渡辺氏は次にどこに向かうのだろうか。関係者は「株式の売却で得た資金を元手に投資する側に“転身”するのではないか」と予想している。

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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