TSUTAYAが今後力を入れる「書籍事業」と新業態「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」
続いて、今後の主軸にしていく書籍販売事業について展望を聞いた。
「当社の書籍販売事業においては『書店ゼロの街をなくす』というビジョンを掲げています。そのビジョンのもとでは、書店の粗利率の改善が急務と考え、書籍販売事業の収益力向上につながる『買切り施策』や、『AIによる需要予測』などの取り組みを行い、フランチャイズ加盟企業様の店頭での書籍販売事業において粗利率35%を目指しています。
さらに、2011年にはネット時代におけるリアル書店の価値追求を目的に、本を中心にしたライフスタイル提案書店として『代官山 蔦屋書店』を開業し、多くのお客様の支持を得ております」(TSUTAYA広報)
そんなCCCは、新業態「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」でコワーキング事業への進出を掲げている。
「今年8月28日にトップカルチャー様の旗艦店である『蔦屋書店 新潟万代』にてSHARE LOUNGEをオープンし、国内では9箇所を展開しています。SHARE LOUNGEは、シェアオフィスの利便性とラウンジのような居心地の良さを兼ね揃えた施設です。こだわりの家具で彩った空間に、フリードリンクやナッツ、超高速Wi-Fiなどの充実したアメニティ、厳選した雑誌をご用意しています。
また、カフェとしても、コワーキングスペースとしてもご利用いただけます。今後は、人と人が出会うコミュニティの場として、ワークショップやトークイベントなどを開催していく予定です。ライフスタイル提案企業として、新しい働き方を提案するとともに、国内各地に住まれるお客様の趣味嗜好等に合わせて、今後の新規出店を検討して参ります。
TSUTAYA事業のほかにTポイントの運営、それに基づくデータベースマーケティング事業、グループとしては出版事業も行っている当社では、創業以来『カルチュア・インフラをつくっていくカンパニー』をミッションに掲げ、時代の変化に合わせてライフスタイルを提案してきました。現在はコロナ禍という未曾有の事態に見舞われていますが、時代の変化に合わせてお客様のニーズを先読みした新しいライフスタイルをご提案し、より顧客価値の高い店舗づくりを続けて参ります」(TSUTAYA広報)
時流に合わせた柔軟で積極的な経営計画を展開するCCCに、レンタル事業の需要衰退に対するネガティブな思いは一切感じられなかった。今まで、一貫してその時代の人々のライフスタイルに合わせたサービスを展開し続けてきた同社は、今後も「カルチュア・インフラを、つくっていくカンパニー。」であり続けるべく舵を切っていくのだろう。
(文=二階堂銀河/A4studio)