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みずほ銀行、解体論も浮上…4千億円で刷新したシステム、障害続出で制御不能

文=編集部

大規模障害にみずほ固有の事情あり

 三菱UFJ銀行や三井住友銀行は合併の際に基幹システムを、合併を主導する銀行に片寄せした。片寄せというのは一本化することだ。ところが、みずほ銀行は前身である第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行の主導権争いが激しく、それぞれのシステムを存続させる形で経営統合した。その結果、統合初日の2002年4月、大規模なシステム障害が起き、250万件の口座振替などで遅れや誤処理が発生した。

 みずほ銀行の勘定系システムは第一勧銀の富士通製、営業店システムの端末には富士銀が使っていた日本IBM製を採用。みずほコーポレート銀行は興銀の日立製をそのまま使った。3行出身のトップのメンツを立てた妥協の産物だった。この最初のボタンの掛け違いが開業初日の大規模システムトラブルの原因につながった。

 11年3月15日、東日本大震災の直後、再びシステム障害が起きた。義援金の振り込みが集中したため、みずほ銀行で最大116万件の振り込みが遅延した。2度の大規模なシステム障害を起こしたみずほは、合併前の旧3行でポストを分け合う「3トップ制」と非効率な「2バンク制」から決別せざるを得なくなった。

 みずほコーポレート銀行は、みずほ銀行に吸収合併され、新・みずほ銀行となった。「One(ワン)みずほ」を目指し、12年、新システムが発表された。旧みずほ銀行のシステムベンダーである富士通、旧みずほコーポレート銀行の日立、旧富士銀とみずほ信託銀行のIBMがそれぞれ分け合うことになった。大同団結に距離を置いていたみずほ信託のシステムまで一緒に刷新するというチャレンジだった。

 18年6月から、グループ内で併存する3つのシステムを、新たに開発した次期システムに移行する作業が始まった。システムの全面刷新作業には、富士通、日立、日本IBMのほかNTTデータも加わった。当初の計画では、システム刷新に投じる資金は4000億円だったが4500億円に膨らんだ。19年7月、新システムが完成した。だが、一連の不祥事を見る限り、システム問題は改善されていないどころか、もっと深刻になっているように映る。

みずほ銀行の解体論が浮上

 みずほの宿痾を解決するには、みずほを解体するしかない、といった極論が金融筋で囁かれている。みずほ銀をかつてのようにリテールとホールセール部門に切り分け、リテールをりそな銀行に、ホールセールは新生銀行に引き継がせるというプランである。新生銀にいまだに残っている3500億円超の公的資金の全額回収にメドをつけるウルトラCになるという、うがった見方もある。

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