読者のみなさんは、スマホの製造原価について考えたことはあるだろうか。技術解析レポートを発行する半導体分析会社TechInsightsが「iPhone 13 Pro」「iPhone 12 Pro」「Galaxy S21+」(各256GBモデル)の製造原価を報告。iPhone 13 Proの製造原価は12 Proより2,350円も高いことが分かった。なぜ製造原価が高まったのか、今回はその理由について詳しく見ていこう。
機能性の向上にともない製造原価もアップ

同社によると製造原価はそれぞれ、iPhone 13 Proが570ドル(約62,700円)、iPhone 12 Proが548.5ドル(約60,350円)、Galaxy S21+が508ドル(約55,800円)と報じられている。iPhone 13 Proの製造原価が高騰した理由として、世界最速のスマートフォンチップ「A15 Bionic」や、安価に大容量化できるスマホの記憶装置「NANDフラッシュメモリ」の価格が高く見積もられていることや、メイン筐体のコストが増加していることなどが上がった。
カメラ性能の向上も話題を呼んでいるiPhone 13シリーズ。広角リアカメラは、画素ピッチがiPhone 12 Proの1.4μmから1.9µmに拡大し、新しいイメージセンサーを搭載。iPhone 13の広角リアカメラのピクセルピッチは、iPhone 12の1.4μmから1.7μmに拡大。画素面積は、iPhone12より47%も増加しているという。一方、TrueDepthカメラは、iPhone 12シリーズに搭載されていたものと同じ。広角リアカメラの性能が向上したことも少なからず製造原価が高くなったことに影響しているのだろうか。
アップル公式サイトでは、iPhone 13 Pro(128GB)の値段は122,800円。報道の通り製造原価を62,700円と仮定すれば、差額は60,100円となる。差額が高い一方で、高機能が備わっていることに惹かれる人も少なくない。スマホの最新情報メディア「bitWave」が実施した調査「iPhone 13に関する意識調査 2021年8月」によると、iPhone 12以上にカメラ性能やバッテリーの向上を期待する声が上がっている。機能性がアップしているにもか…