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840万人が悩む頭痛、どう付き合う?9割が日常生活に支障、緊急症状の見分け方

文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
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「たとえば『2週間前からずっと頭が痛いのです』と訴える患者さんは、緊急度が低いと判断します。2週間は日常生活ができたからです。逆に深刻なのが、急性で程度が重い頭痛。これは身体のどの部位でもいえますが、『突然、激痛が走った』場合は要注意です。

 頭痛の場合、もし脳出血を発症していたら死亡する可能性も高まるので、対応は一刻を争います。自宅でこうした症状が起きた場合は、迷わず救急車を呼びましょう」

 取材なのでわかりやすく説明してくれたが、頭痛は「急性の頭痛」(二次性頭痛)と「慢性の頭痛」(一次性頭痛)に分けられる。急性の頭痛は生命にかかわる危険が高いのだ。一般的な片頭痛は慢性の頭痛だが、実は「肩こりや首こりから来る頭痛も多い」(同)という。

「その理由は、姿勢の悪さと運動不足が大半です。大人の頭の重さは約5kgもあり、姿勢の悪さで身体のバランスが乱れると、頭全体が重苦しくなったりします。前かがみでパソコン作業を続けたり、無理な姿勢でスマホ画面を長時間見続けるのもよくありません」(同)

 こうした日常生活の乱れも、可能性としては大きい。

生活習慣を見直し、ストレスを減らす

 では一体、頭痛に対して、どんな予防をすればよいのだろうか。多くの専門家が指摘するのが「日常生活の質を高め、生活習慣を改善する」ことだ。

 たとえば、片頭痛の原因としては、「睡眠不足、疲れ、過度なアルコール摂取」などが挙げられる。仕事に追われる時期もあるだろうが、まずはそれをできるだけ避けること。

 原因対策と予防を尊重しつつだが、長年取材をしてきて「365日、生真面目に生活をすることを勧めない専門家」も増えたと感じる。たとえば、気が抜けない仕事からようやく解放されて「今日ばかりはビールやワインをぐいぐい飲みたい」人もいるだろう。そうした日があっても、翌日以降から切り替える。慢性的にしないことが大切なようだ。

 頭痛には、精神的なストレスによる「緊張型頭痛」もある。その一方、心身のストレスから解放された時に起きる「片頭痛」もあるという。ストレスと無縁な人はいないので難しい問題だが、時には「この仕事が失敗してもすべてを失うわけではない」といった気持ちも大切なようだ。

がんと血管の病気予防でリスクを軽減する

 頭痛と片頭痛を見てきたが、人生100年時代の健康寿命として次の話を紹介したい。

 最近の日本人の主な死因は、(1)がん、(2)心臓の病気、(3)老衰、(4)脳の病気、(5)肺炎の順となっている(2019年、厚生労働省の発表※)。
※発表では、がん=悪性新生物、心臓の病気=心疾患、脳の病気=脳血管疾患

 前述の脳神経外科医は、こう説明する。

「実は2位と4位は、心臓と脳の『血管の病気』です。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞になり、脳の血管が詰まれば脳梗塞になります。5位の肺炎で亡くなる人の大半は寝たきり生活だった高齢者ですが、寝たきりになる最大要因は脳の血管の病気です」

 つまり、2大死因である「がん」と「血管の病気」を予防すれば、病気リスクが軽減できるのだ。血管の病気の原因は「動脈硬化」が進むこと。高血圧な人もリスクが高い。そうしたリスクを減らすのは、やはり食事と運動、そしてストレス対策だ。

食生活、運動不足は「現代人の衰え」

 健康関連の取材をすると、「現代人の食生活の衰え」を知ることが多い。たとえば、「唾液を出すための食事」では、「戦前に比べて現代人は4分の1しか噛まなくなった」と聞いた。多くの人が好きなカレーライスやラーメンは、流し込むように食べられる。噛み応えのある青魚やゴボウのような食物繊維など、日によっては昔の日本人の食事に戻したい。

 昔に比べて現代人は運動もしなくなった。スポーツウェアに着替えて行うものなどと難しく考えないのも大切だ。在宅勤務が一段落したら外出して歩く。スマホのアプリで歩数計算する人も増えた。ウォーキングやジョギングで景色が変わる楽しさは気分転換にもなる。「手軽に取り組み、無理なく続けるのも大切」と、運動科学の専門家は話していた。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

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