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小谷寿美子「薬剤師が教える薬のホント」

実はペニシリン系・ピリン系ではない?自分の薬疹の誤認識は、命を危険に晒す

文=小谷寿美子/薬剤師
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 その患者さんは「薬疹」という辞書を引くと「薬によって起こる全身の発疹。ピリン系アレルギーのこと」という説明が出てきてしまったのです。それで「ピリン系」と問診票に書いてしまったのです。しかし、専門家は違います。この「ピリン系」を辞書で引くと「ピリン骨格を持つ解熱鎮痛薬」なのです。これにより、ピリンでない鎮痛薬を処方すればいいという行動につながります。

「個別事象の一般化」ということを考えておく必要があります。たとえば、「マキロンください」という患者さんが、マキロンの形をした消毒薬が欲しいだけで、マキロンそのものが欲しいわけではないことがあります。「バンドエイドください」もしかりです。決してバンドエイドが欲しいわけではなく、同じ形の絆創膏が欲しい場合があります。実際にそういう患者さんは、バンドエイドではなく徳用キズテープを買っていきます。

 薬疹のなかで「ペニシリン系」と「ピリン系」が有名すぎるので、「薬疹=ペニシリン系」「薬疹=ピリン系」と考えてしまいがちです。ほかには、「ピリン系」と本人が表現しているものが、実際には「ボルタレン(ジクロフェナク)」ということがあります。これにより現場は大混乱してしまうのです。

副作用がある薬を正確に伝える

 被害を防ぐためには、日頃から「お薬手帳」を持ち歩き、すべての薬の記録を残しておくことが必要です。そして副作用が出た薬については該当するページに〇で囲って「薬疹出た」と記入しておきます。その上で、該当する薬を表紙裏に転記します。ここでの転記ミスは許されません。自分の命を守るという覚悟で記入してください。ここまですれば、誰が見ても勘違いは起こりません。薬については命にかかわることですので、「正しく認識し正しく伝える」ようにしてください。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

●小谷寿美子

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。

明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。

市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。

入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

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