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木村誠「20年代、大学新時代」

私立大学の46%が入学定員割れに…私大の“連続倒産時代”は本当に来るのか?

文=木村誠/大学教育ジャーナリスト
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 特に全国で名を知られるようになったのは、その地域貢献活動だ。数年前に「地(知)の拠点整備」COC+のプロジェクト(地方創生の中心となる「ひと」の地方への集積が目的)で、私大では東北学院大学と並んで共愛学園前橋国際大学の取り組み「めぶく。プラットフォーム前橋」が、最終評価で最高ランクであった。地元自治体の要求に応え、参加する地元企業の数も多い。ちなみに最高のSランクは42大学中の12大学で、ほかの10大学は地方の有力国立大学である。朝日新聞出版「大学ランキング」の「全国の学長が教育面で評価する大学」で、同大は全大学の中から4位に選ばれた。

 また、松本大学は、地元に密着したアウトキャンパススタディで注目され、受験生を集めている。たとえば観光ホスピタリティ学科では、昨今のインバウンドブーム以前から、地元の松本城を訪れた外国人の観光客に英語で観光ガイドをする活動をしてきた。そのためには英語力だけでなく、地元の歴史や文化の知識を身につけなくてはならない。彼ら彼女らが卒業して、地元の観光産業の担い手になることが期待された。創立の理念に「地域貢献」をうたい、長野県と防災や健康づくりで包括連携協定を締結するなど、具体的な活動が可視化されて、定員割れを起こさず、受験生の人気をキープしている。

 九州で定員割れの常連校であった長崎ウエスレヤン大学は、2021年に鎮西学院大学と改称し、政治学者の姜尚中氏が学長に就任した。姜氏は「地域貢献型の大学として九州のフロントランナーとなり、グローバルな世界に羽ばたく人材を育てたい」と抱負を述べた。

 地方私大にとっては、まさに「地域貢献」がキーワードなのだ。

新型コロナ禍で定員割れ私大が増加するわけ

 定員割れの私大が増加した原因のひとつに、コロナ禍がある。というのも、日本人志願者の減少を海外からの外国人留学生(以下、留学生)で補充してきた私大が、少なからずあるからだ。

 千葉県四街道市の愛国学園大学の入学者は、中国・武漢市で新型コロナウイルスが発生する前の2017年119人、2018年97人、2019年は59人だったのに、2020年45人、2021年21人と激減。その結果、2017年の在籍者数210人から2021年は143人に減り、現在の収容定員充足率(在籍者数/収容定員400人)は35.8%である。在籍者数のうち留学生が121人もいる。

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