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中日・立浪新監督も苦戦必至?就任1年目で優勝の名球会監督は工藤と落合のみ

文=後藤豊/フリーライター
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現役時代の立浪和義氏(「Wikipedia」より)

 中日ドラゴンズの次期監督に立浪和義氏の就任が決定した。2020年の高津臣吾氏(東京ヤクルトスワローズ監督)に続き、誕生した「名球会監督(有資格者含む)」である。

 2021年時点で名球会(投手は200勝or250セーブ、打者は2000本安打達成者)会員は、有資格者や退会者、故人を含めて76名。このうち監督に就任したのは立浪氏で31人目となる。選手として実績を残しているにもかかわらず、チームの指揮権を与えてもらえるのは半分以下。意外に少ない理由を、ある名球会選手に語ってもらったことがある。

「球団のフロントが考える理想的な監督とは、フロントの言うことを聞いてくれる人なんだよね。王さんや長嶋さんのようなスーパーヒーローは客を呼べるから別格だけど、そうでなければ『選手としての実績がある、自己主張の強い人物』は起用しない傾向があるよ」

 早い話、球団フロントは主導権を握りたいのであろう。一昔前と比べ、近年の監督は現役時代の実績を重視されなくなっているが、その要因がここにある。引退後、一度もユニフォームを着ていない名球会選手が少なくないのも、球団フロントが扱いにくい人物を嫌うためだと言われている。

わずか2人…初年度に優勝した名球会監督

 そんな状況下で誕生した立浪新監督は、周囲からの評判が良い人物で有名だ。彼を知る元プロ野球選手は「タツは先輩にも敬意を示すし、後輩の面倒見もいい。しかもリーダーシップがある」と太鼓判を押す。

 しかし、待っているのは苦難の道のりだ。なぜならBクラスのチームを牽引するからである。

 名球会監督30名の監督成績を表にしてみた。30名のうち優勝を経験した指揮官はわずか10名。多くの監督は低迷するチームに就任するも、2、3年で結果を出せずにクビを切られている。

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 しかも、1年目で優勝を果たした監督はわずか2人しかいない。2015年に福岡ソフトバンクホークス監督となった工藤公康氏と、2004年から中日の指揮を執った落合博満氏(名球会有資格者)である。

 工藤氏は7年間で5度の日本一に輝き、落合氏も8年間でリーグ優勝4回、日本一1回。指揮官としての能力は優秀と言える。ただし、就任前年のチーム順位はソフトバンクが日本一、中日も2位だった。

 30名のうち前年より順位を上げた監督はわずか12名(工藤氏含む)。最下位からAクラスになった南海ホークスの野村克也氏、ソフトバンクの秋山幸二氏は、その手腕を買われて監督歴が長くなっている。今季、就任2年目で最下位から優勝を果たしたヤクルトの高津監督も、その道をたどるかもしれない。

 なお、名球会の会員でない選手も含め、監督就任初年度に優勝を果たしたのは過去に16名しかいない。西本幸雄(大毎)、川上哲治(巨人)、古葉竹識(広島)、藤田元司(巨人)、森祗晶(西武)、原辰徳(巨人)、落合、栗山英樹(日本ハム)、工藤など名将揃いで監督歴も長くなる。そう考えると「1年目の実績」は非常に重要となる。

 投手陣は揃っているが打撃面で劣る現在のドラゴンズを、立浪新監督がどのように立て直すか。非常に見ものである。

(文=後藤豊/フリーライター)

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