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中野区、奇抜すぎる図書館が物議…ツタヤ図書館インスパイア系、10mの高層書架

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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 何より、この超高層書架が描かれた建築パースが、これまでに公開された形跡はどこにもないのだ。担当部署でもパースは把握していないというから、それでは誰も異を唱えようがない。区内で図書館について活動している市民団体のメンバーは、こう話す。

「事前に提示されていた図面からは、そのような高い書架が設置されることは、まったくわかりませんでした。知ったのは、今年9月末に完成後の図書館を見学させてもらったときでした。『ここに本を置いて、使えるの?』と驚きました」

 さらに興味深い事実がひとつ、浮かび上がってきた。それは、2018年11月に酒井直人区長が、国内初のツタヤ図書館をオープンさせた武雄市を視察に訪れていたことである。当然のごとく図書館も訪れており、自らのフェイスブックに「武雄市立図書館は、以前から憧れていた」ことを告白したため、「中野区にもツタヤ図書館ができるのでは」とのウワサがたちまち巷を駆け巡ることになった。

 中野駅前のサンプラザの解体や図書館の統廃合を決めていた田中大輔前区長(自民・公明・維新推薦)を破って、この年の3月に当選したばかりの酒井区長(立憲、国民民主推薦)は、区制改革の期待も大きかっただけに、「ツタヤ図書館に憧れていた」との発言には落胆した市民も多かったに違いない。

 そこへ、今回のツタヤ図書館ばりの超高層書架の問題が出てきたわけだ。酒井区長は、指定管理者にCCCを選定して各方面からの批判を浴びることを嫌い、設計者に要望を伝えてデザインだけツタヤ図書館ふうにしたかったのではないのかとの見方も広がっている。ある図書館関係者は、こんな感想を漏らす。

「設計者が、このような奇を衒ったものを自ら提案するとは思えません。図書館管轄部署は反対することもできず、これをどのように使うのかの計画すら、いまだにできていない状態になっています。ツイッターの公式アカウントについても、指定管理業者は問題を引き起こしかねないのは十分に分かっているはずで、自らの意思でトラブルを呼び込むことはしないはずです。それを行わせる力を持ち、自分にとって大いに得になると信じた人間が、全体の黒幕であると思います」

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