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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」 

中国・元長者番付1位の王健林、なぜ嘘の死亡説が流布?資産3兆円を失う

取材・文=相馬勝/ジャーナリスト
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 とくに氏は商業部門に力を入れており、中国有数の自動車製造・販売企業の中国第一汽車集団と提携し、グループの役員の車をすべて中国のナショナルブランドである「紅旗」に置き換えると発表したほか、両グループは、サービス・エコロジー、エネルギー・エコロジー、メンバーシップ・エコロジーの3つの側面で協力関係を深めている。このような事業展開が功を奏してか、フォーブス誌の2020年の長者番付で王氏は資産140億ドルと番付10位にランクインされている。

 このようななか、王氏は今年10月22日、ワンダの復活をかけて、ワンダコマーシャルマネジメントの香港株式市場への上場を申請。60億ドルもの資金調達が見込まれていると伝えられた矢先に、王氏の死亡説が流れたことで、「これまでのグループの株式暴落で大損をした投資家の仕業だ」などとの憶測が出回っているが、真相は藪の中だ。

 ただ、わかっているのは、「この6年足らずで約320億ドル(約3兆5000億円)の個人資産を失ったのだ。この間、これだけ急激に転落した資産家は他にいない」(ブルームバーグ)と伝えられるように、王氏の復活が予想以上に容易でないことを暗示しているようだ。

(取材・文=相馬勝/ジャーナリスト)

●相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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