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「昨年の製造量に比べ2割程度少ないことから『ワクチン不足』と言われるのかもしれませんが、例年通りのワクチン供給があり、問題ないと思います。しかし、今年はCOVID-19ワクチン製造の影響でインフルエンザワクチン製造に遅れが出ているようです。したがって、重症化リスクが高い方を優先してワクチン接種を進めてほしいと思います」(同)
ワクチンは重症化を防ぐために重要ではあるが、万能ではないことも認識しなければいけない。
「特に高齢者ではワクチンの効果は低い傾向にあり、インフルエンザに感染した場合は、インフルエンザ肺炎で重症化する恐れがありますので、普段からの予防対策も重要となります」(同)
間もなく、3回目となる新型コロナウイルスワクチンの“ブースター接種”が開始されるが、同時期にインフルエンザワクチンを接種することは問題ないのだろうか。
「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは、日本では安全を期して2週間空けて接種することにしていますが、アメリカなどでは同時接種していますし、安全性に問題はありません」(同)
ワクチンに関しては、さまざまな「とんでも情報」が出回るが、そういった嘘に惑わされることなく新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの接種を行ってほしい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)
吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。