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山口FG、アイフルとの新銀行構想が波紋…低所得者の死亡保険を返済に充てる

文=編集部

 臨時株主総会を前に、「不利な情勢」(関係者)と見られている吉村氏が、あえて東京で記者会見を開いたことになる。「窮鼠猫を嚙むだ」(ライバルの地銀グループ首脳)といった冷ややかな見方もある。

アイフルとの新銀行構想では外資系経営コンサルタントをCEOに招く予定だった

 今年4月、取締役や幹部行員に届いた一通の内部告発が内紛に火をつけた。吉村氏の個人的なスキャンダルのほか、外資系金融コンサル会社オリバーワイマングループ(東京都千代田区)日本代表パートナーの富樫直記氏との癒着を指摘していた。

 富樫氏は日本銀行出身で、そのキャリアを生かし、多くの地銀を顧客にもつコンサルタントだ。かんぽ生命保険で不適切な保険販売が明るみに出た際、「金融商品の販売組織を郵便局という最小単位に切り分け、郵便局の運営管理を地域の金融のプロに任せては」と提言し、一部で関心を集めた。

「怪文書にしては内容が詳しすぎる。内部の支店長以上の人間が書いたものだ」と判断した社外取締役が調査チームを立ち上げた。吉村氏が“クーデター派”とみなした福田進取締役(監査等委員)が本部長を務めた社内調査委員会がまとめた調査報告書は、吉村氏に対する7つの告発事案を列挙し、「取締役辞任」を勧告した。富樫氏のコンサル会社への5億円の支出も確認された。

 吉村氏はアイフルとの共同出資で個人向けのリテール専門銀行の設立を計画。富樫氏をCEOに迎え、その親族を含むコンサル会社の社員数人を雇用する人事案が計画には盛り込まれていたという。さらに富樫氏の報酬は1億円以上と決められていたとされる。「この報酬は法外すぎる。ふざけた提案だ」と山口FGの取締役は激しく反発。これが吉村氏の会長解任の引き金となった。

 吉村氏が企画した「全国区の個人金融専門の銀行」は「格差社会におけるマスリテール層の生活改善のための金融を展開する」とうたっていた。顧客に毎月10万円を貸し出し、返済は貸出金が上限に達するまで利息のみにとどめ、顧客が死亡したら死亡保険を返済に充てるというもの。低所得者を対象に死亡保険で返済させるというビジネスモデルだ。

 死亡保険で貸し金を回収するのは、かつてのサラ金を思わせるような仕組みで、「金融庁が『銀行がやることではない』と不快感を示した」と山口FGの関係者は証言する。山口FGは銀行としての社会的責任が問われる事態となっている。

 第一生命保険の巨額詐取事件との関連はあったのか。怪文書が指摘した、数々の疑惑について、山口FGの経営陣は記者会見を開き、きちんと説明する責務がある。

(文=編集部)

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