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納期は2カ月先…給湯器の在庫不足が深刻、故障しても交換できず 雪国では命の危険

文=編集部、協力=草野かおる/防災士・イラストレーター
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「gettyimages」より

 12月に入り寒さが一段と深まるなか、給湯器とその部品の品薄が全国的に広がり、故障して修理業者に依頼しても交換できないという悲鳴がSNS上で続出している。原因としては新型コロナウイルス感染拡大による部品製造元であるアジアの工場の生産停止や、世界的な半導体不足などが指摘されているが、給湯器メーカー各社は次のようにリリースを発表している。

リンナイ

「新型コロナウイルスの感染拡大等の影響により、サプライヤーの生産に支障が出ているため、下記商品のご注文につきましては、通常より納品までにお時間をいただく状況となっております。ご関係の皆様には多大なご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。商品供給の正常化に向けて努力してまいりますので、ご理解の程よろしくお願い申しあげます」

・ノーリツ

「急速な新型コロナウイルス感染拡大等の影響により、部品サプライヤーの生産に支障が生じております。これにより、一部商品において、ご希望納期での対応ができなくなっております。多大なるご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんが、全社をあげて早期解消に努めて参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」

 さらに修理事業者各社のHP上では、給湯器の納期について「未定」「2カ月以上」「回答できない」といった文字も多数見られるが、もし給湯器が故障して交換や修理ができない場合、当然ながら台所や洗面台、浴室などの蛇口からはお湯が出ず、冷たい水しか出てこないことになり、寒さの厳しい雪国などでは、特に一人暮らしの高齢者などにとっては命にかかわる事態となる。

 では、給湯器の故障を防ぐには、どうすればよいのだろうか。防災士で『4コマですぐわかる 新 みんなの防災ハンドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者であるイラストレーター、草野かおる氏に解説してもらった。

草野氏の解説

 ゆっくりお風呂に浸かるのが至福の時と感じる季節になりました。この時期、給湯器が故障して、お湯が出なくなったとしたら、どうしますか? これまでであれば、業者さんに連絡して、すぐに修理・交換してもらい、長くて3日もあれば解決できました。それが、業者さんから「製品も部品も在庫なし、メーカーからの入荷の見通しが立たないので、修理はいつになるかわからない」と言われたら――。

 現在の品薄の原因は、コロナによる工場閉鎖や世界的な半導体不足です。厳冬の間、お風呂は使えない、お皿を洗うのも冷水となれば、想像するだけでも背筋が寒くなります。

 そんなことにならないよう、「給湯器を故障から防ぐ3つの知恵」をご紹介したいと思います。

1.凍結予防・お風呂の水を溜めておく

 冬の間は、湯船の中の循環金具(追い焚きの金具の部分)が、かぶる位置まで、24時間、水を張っておきましょう。お湯を沸かしたままにするのではなく、湯船にお水を張って置くだけです。

 水は凍結すると膨張し、配管の破裂させ、水漏れや故障の原因になります。そのため、給湯器は凍結防止ヒーターが組み込まれています。リモコンを切っても、寒くなると自動で凍結防止が働く機能です。凍結防止機能は、給湯回路と風呂回路の双方に備わっています。しかし、追い炊き用の配管にはヒーターが搭載されていません。

 そこで、湯船に水を溜める。その溜まった水が、配管をゆっくり循環する。その水が冷たい時は、凍結予防機能が働く。その結果、追い炊き用の配管の凍結を防いでくれます。

 お風呂掃除は入浴直前にするという習慣にしてしまえば、忘れませんね。

2.凍結予防・水抜き

 自動で働く凍結防止は、電源が入っていることが前提。別荘だったり、帰省で長期留守にする場合に「ブレーカーを落とす」「コンセントを抜いておく」という人もいます。その場合、給湯器、水道の水抜きを忘れずに行いましょう。また、露出している外の配管を断熱材で覆うなどの対策も必要です。

3.点検をする

 給湯器は大きく分けて「ガス給湯器」「石油給湯器」「電気温水器」「エコキュート」の4種類です。使用説明書を確認して、自分でできる点検を行いましょう。

 例えば、雪国でおなじみの石油給湯器であれば、オイルタンクのパッキング交換、給水フィルターの掃除、タンクの底に溜まっている汚れやサビを取り除きます。汚れやサビは不完全燃焼や故障の原因になります。

 自分で難しいのであれば、メーカーに有償で点検を頼むのも手です。適切なメンテナンスによって多くの故障は回避できます。ちなみに無料点検と謳って法外な値段を請求する悪徳業者も存在します。信頼できる業者さんに、相談しましょう。

 異常気象による極端な寒さが来ることも予想されます。油断せず、冬を乗り切りましょう。

(文=編集部、協力=草野かおる/防災士・イラストレーター)

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