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国産コロナワクチン・治療薬、有意性を確認できず行き詰まり…アビガン、アンジェス

文=編集部
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アンジェス

 新型コロナワクチンとして期待されているアンジェスも苦戦している。アンジェス創業者で大阪大寄付講座教授の森下竜一氏が「期待する効果が得られなかった」としたため、同社の株価は11月8日、マザーズ市場でストップ安(100円安)の407円と崩落した。年初来安値は11月9日の358円だ。21年の年初来高値は1月12日の1375円だから高値から74%下げたことになる。11月30日の安値は398円。終値は402円(前日比14円安)だった。

 アンジェスは大阪大と共同でDNAワクチンを開発してきた。これは実用化されているコロナワクチンとはまったく別のタイプで、ウイルスのたんぱく質をつくるDNAを使う。20年6月に治験を開始し、当初は「国産ワクチンで最速で実用化」と騒がれたが、現在も最終段階の治験に進めていない。「DNAワクチンはメッセンジャー(m)RNAワクチンに比べて発熱や倦怠感が出にくく、安全性が非常に高い」(森下氏)との触れ込みだった。

 DNAワクチンは国産ワクチンとして最も早い時期に治験が始まった。治験を実施する大阪市立病院での審査委員会を通過する前に、治験日程や治験の対象者について吉村洋文知事が会見で公表。吉村知事は実用化の時期を「20年9月」と発言したことから吉村知事ご推奨のワクチンと呼ばれるようになった。

 アンジェスの大株主構成を見ると、SBI証券が第2位で、松井証券が第4位、野村證券も第8位だ。創薬ベンチャーとしては珍しくないが、アンジェスは営業赤字が続いており、黒字転換のメドも立っていないが、それでもワクチン開発への期待で株価は相対的に高止まりしてきた。今回の治験の仕切り直しで株価は妥当な水準まで下げることになるとみられている。コロナワクチン、治療薬には政治的な要素が加わる余地が大きい。政治家の発言でバイアスが掛かると、思わぬ方向に行ってしまうことがある。

(文=編集部)

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