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海外売上高比率が9割…村田製作所が過去最高益、「世界シェア上位」経営の秘密

文=編集部

 22年3月期通期は、売上高が前期比6%増の1兆7300億円、営業利益16%増の3650億円、純利益14%増の2710億円の見通しを据え置いた。村田恒夫会長は下期以降について「需要は弱含みになる」と慎重な見方をしている。11月15日の中期経営方針の発表を受けて、翌16日の株価は前日比308円(3.5%)高の8989円に急騰した。環境投資や株主還元への取り組みを好感した買いが入った。

全固体電池を量産

 村田製作所の売上高営業利益率は24.5%(21年4~9月期)と、電子部品大手の中で断トツの収益性を誇るが、数少ないアキレス腱が電池事業だ。

 電気自動車(EV)や太陽光発電などの普及とともに蓄電池の市場の拡大が見込まれる。日本政府が2050年の温暖化ガス排出ゼロの目標を打ち出したこともあり、脱炭素の機運が高まってきた。

 現在、主流のリチウムイオン電池の次の本命と目されているのが全固体電池。内部の電解液を固体にして出力をあげるのが特徴。エネルギー密度が高まり、発火のリスクも低いという利点がある。欧米の自動車メーカーを中心に世界中で車載電池への投資が過熱している。

 村田製作所には海外売上高比率が91.6%(21年3月期)というグローバル企業としての誇りがある。そこで、22年3月期中に全固体電池の量産に乗り出す。野洲事業所(滋賀県野洲市)に量産ラインを設置し、イヤホンなどのウエアラブル端末向けに供給する。月産10万個の生産を最終的に予定している。

 電池事業は17年、ソニーから買収したことで本格的にスタートを切った。ソニーが1991年、世界で初めてリチウムイオン電池を量産した福島県郡山市の工場は現在、生産子会社・東北村田製作所となっている。リチウムイオン電池技術に主力のMLCCで培った積層技術を加味して大容量化を実現。発火しにくい高性能電池の「フォルテリオン」を生産している。

 全固体電池などの新製品の立ち上げは負担になっており、22年3月期に達成する予定だった電池事業の黒字化は先送りする。電子部品の需要は長期的には5Gや電装化が進む自動車用向けを中心に拡大するとみている。次なる成長の柱として、早急に全固体電池を軌道に乗せることが課題である。全固体電池は何といっても脱炭素の切り札となる可能性があるからだ。

(文=編集部)

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