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大島優子演じる渋沢栄一の後妻・兼子の多才な息子達…いすゞ創業、田園調布開発、東宝会長

文=菊地浩之
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1997年に国書刊行会より刊行された、『徳川慶喜最後の寵臣 渋沢栄一―そしてその一族の人びと』。著者の渋沢華子は、栄一の五男・渋沢秀雄の娘である。

文才に恵まれ、渋沢栄一をネタに著作を著した多くの子孫たち

 渋沢秀雄はクリエイティブな仕事を謳歌していたように思えるのだが、彼の兄たち(篤二、正雄)も本当は銀行じゃなくてクリエイティブな仕事がしたかったんだろう。栄一の子どもに生まれたから、銀行に入るように仕向けられたんだが、本当は起業したり、エンターテインメントに従事したかったのかもしれない。

「秀雄が篤二家を訪ねると、当の本人は大きな邸に猟犬を飼い愛人と何不自由なく趣味甚として暮らしている。秀雄は『廃嫡はよいもの』と羨ましく思ったという」(『徳川慶喜最後の寵臣 渋沢栄一―そしてその一族の人びと』)。

 秀雄が随筆家として成功したのみならず、渋沢一族は文才に長けた人物が多い。著者が知るだけでも以下の人物が、父や祖父をネタにして著作をあらわしている。文才があって話題になる人物が親族にいるんだから、羨ましいことこの上ない。廃嫡された篤二もそういう道に進みたかったに違いない。

●次男・篤二の孫 渋沢雅英 『父・渋沢敬三』(実業之日本社、1966年)
●四男・正雄の娘 鮫島純子 『祖父・渋沢栄一に学んだこと』(文藝春秋、2010年)
●五男・秀雄の娘 渋沢華子 『徳川慶喜最後の寵臣 渋沢栄一―そしてその一族の人びと』(国書刊行会、1997年)
●長女・歌子の孫 穂積重行 『明治一法学者の出発――穂積陳重をめぐって』(岩波書店、1988年)
●次女・琴子の孫 阪谷芳直 『三代の系譜』(洋泉社、2007年)

 なお、⻑⼥・歌⼦の日記『穂積歌子日記 明治23-30年 1890-1906 明治一法学者の周辺』(みすず書房)が孫の重行の手によって刊行されている。これだけよってたかって出版しているので、筆者の見落としがまだまだあるかもしれない。

 ちなみに小説家・評論家として有名な澁澤龍彦は、渋沢宗助(演:平泉成)の子孫にあたる(渋沢栄一直系の子孫ではないのだ)。

(文=菊地浩之)

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●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。

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