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西安市でも「ハンタウイルスに関する危険な実験が行われ、人為的につくり出されたウイルスが流出した」とのシナリオも視野に入れていく必要がある。
症状が似ていることから、西安市の流行性出血熱が新種のインフルエンザである可能性も排除できない。病原性の高い鳥インフルエンザの流行が今年11月以降、欧州とアジアで多数報告されている。日本でも家禽への感染例が複数報告されている。鳥インフルエンザは人に感染することが確認されており、「ヒト-ヒト感染を引き起こす新種のインフルエンザウイルスが出現するのは時間の問題だ」と警告する専門家は少なくない。
現段階で「西安市の流行性出血熱が次のパンデミックを引き起こす」とは断言できないが、隠蔽体質を変えようとしない中国への警戒を怠ってはならない。
(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)
●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー
1984年 通商産業省入省
1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)
1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)
1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)
2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)
2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)
2016年 経済産業研究所上席研究員
2021年 現職