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企業のリーダーたちがコーチングを根付かせるためにすべきこととは

新刊JP
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リーダー自身がコーチングの「理論」を勉強すべき理由とは


――組織にコーチングが根付き、サスティナブルに機能していくために、会社のトップやリーダーはどんな働きかけをしていくべきでしょうか?

市丸:日本のリーダーはよく「変われ」と社員に言うのですが、それはあくまでも「周りの人間」。でも、本当に変わるべき人は自分なんです。そして、経営者自身が変わり続ける姿を見せることで、社員はそこに共鳴し、変わり始めていくと思うので、まずは、自分自身が変わり続けることが必要なのではないかと思います。

合力:サスティナブルに根付かせるためには、やはりリーダー自身がコーチングの理論を勉強すべきでしょうね。「なんちゃって」になったり、途中でやめてしまうのは、人間の可能性を信じていないからだと思います。これはコーチングに限らず、その他のさまざまなツールもそうです。

 利益を出すための何らかのツールを外部から取り入れようとするときに、ただツールを入れるのではなく、そのツールが効果を出す根拠もしっかりと勉強する。それが大切なのではないかと思います。

 例えば、バーバラ・フレドリクソンという心理学者の「拡張-形成理論」という脳の働きに関する理論があります。これはポジティブ感情が精神の働きを拡張して、持ちうる選択肢を増やし、私たちをより思慮深く創造的にし、新しい考えに対しても受け入れられるようになるという拡張効果があるという理論で、実験によって立証されています。

 もし、ブラックな環境でネガティブなプレッシャーを与え続けられると脳は萎縮してしまい、利益につながる活動ができなくなってしまいます。だから、会社が利益を出したいのであれば、ポジティブ心理学に基づいて、社員の人間性を重視すべきであるということが、この理論を根拠に言えるわけです。

 この理論を一つ知っているだけでも、コーチングというツールはとても使えるということが分かりますし、なかなか効果が出なくてもすぐに手放さないと思うんですよね。私自身、この本を執筆させていただいたのも、そうした理論をもっと経営者が知ることで、コーチングが根付いていくのではないかと思ったからです。

――今、合力さんのお話にもありましたが、本書をどんな人に読んでほしいとお考えでしょうか。

市丸:これは3つの層があります。まずは合力教授もおっしゃっていた、会社の経営に関わっている方々です。2つ目は、学生の皆さん。社会に出た瞬間からリーダーシップを要求されますから、その前の段階からこういったことに触れていただくのが良いと思います。

 そして3つ目なんですが、働いている方々ですね。本書の中にワークシートを入れさせていただいていただいたのですが。

――付録のコーチングツールですね。

市丸:そうです。こちらを本気で取り組んでいただいたら、自身の変化につながります。

 最後に付け加えると、日本の経営が上手くいっていないのは、経営陣にも問題があるのですが、物を言はない社員層にも問題があると思います。「コーチング・アップ」という部下から上司への働きかけをどんどん活性化することにより、このコーチング・アップができる人こそ、組織を変えられる人だと思っています。

 でも、コーチング・アップは普段から期待以上の働きをしていないと、上司から受け入れてもらえないケースも多くあります。そこで諦めてしまって組織の硬直化につながってしまうということもあるので、ちゃんとコーチング・アップができるようになるための教育も、若手層やこれから社会に出ていく大学生が意識的に実践するかどうかが組織を変える大きなポイントです。

合力:利益を持続的に出していきたいと思っている人にぜひ読んでほしいと思います。これは経営者だけでなく、リーダー層、学生を含めてです。

 会社の利益というのは金銭的なものだけではなくて、いろいろな利益があると私は考えています。そうした様々な利益を見ずに、目先の金銭的な利益だけを見てしまうと、新しいツールに飛びついてはすぐに捨て、ということを繰り返すことになります。それはまったくサスティナブルではありません。

 コーチングによってもたらされる利益も、様々な利益の一つです。本書はコーチングのマインド、理論から実践まで網羅的に書かれていますから、サスティナブルに利益が出る組織にしていきたいと思っている人には、おすすめだと思いますね。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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